内容説明
ホンモノの『源氏物語』など、どこにもありはしない。これまでに存在し、いま存在するすべての本が『源氏物語』である―“原作者によるオリジナル”という幻想によって矮小化されてきた『源氏物語』。“生成変化する流動体”という平安物語本来のあり方に立ち返り、『源氏物語』のダイナミズムを文学史に再定立する。
目次
第1部 本文が揺れ動けば物語も揺れ動く(「東屋」巻の本文揺動史;星と浮舟;本文の揺れ、物語の揺れ;脱文もあれば独自異文もある)
第2部 写本を演奏するのは我々である(句読を切る。本文を改める。;「と」の気脈;鉤括弧と異文)
第3部 どこからどこまでが『源氏物語』なのか(散佚「桜人」巻をめぐって;散佚「巣守」巻をめぐって;続篇・外伝の筆法)
著者等紹介
加藤昌嘉[カトウマサヨシ]
1971年10月生。2000年3月、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。大阪大学大学院助手、国文学研究資料館准教授を経て、法政大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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