出版社内容情報
平安時代の仮名文学は、女性による女性のための文学であった。対して男の文学は、漢詩文であった。
また、男の手紙は漢語を多く用い、和語もできるだけ漢字で示してあるのに対し、女性の手紙は漢語は使わず、ほとんど仮名で書いてある(訓読語で「憩ふ」、和文で「休む」など)。なお、この習慣は後世まで引き継がれている。
このように、日本語では意味は同じなのに男と女で違う語を用いることがある。立場や職業の違いからうまれたものである。
古今の書物をひもとき、特定の社会や集団のなかでの使われたことばを紹介し、われわれの日常のことばに潜む、昔歳の文化・慣習を知る。
女のことば 男のことば―序にかえて
女のことば
一…忌み言葉
二…斎宮忌み言葉
三…月経
四…正月言葉
五…女房言葉
海人藻芥
大上?御名之事
御湯殿上日記
日葡辞書
興味を引く語
女重宝記
浮世風呂
くさむすび
六…郭言葉
遊郭
京都・島原
大阪・新町
江戸・吉原
遊里語
文字言葉
店ごとの言葉
吉原の言葉
江戸の岡場所の言葉
男のことば
一…武者言葉
身分の上下
敵と味方
第一番と第二番以下
対象の違い
二…武士の言葉
三…奴言葉・六方言葉
奴言葉の作品
『清十郎ついぜんやっこはいかい』
四…せんぼう
五…山言葉
あとがき・索引
小林祥次郎[コバヤシショウジロウ]
著・文・その他
内容説明
おでん、お開き、おます、とちる、ひもじい、ほの字…女官が、遊女が、芸人が、たくまず生み出す隠語の世界。古今の書物をひもとき、特定の社会や集団のなかで使われたことばを探求。日常のことばに潜む、いにしえの文化・慣習を知る。
目次
女のことば(忌み言葉;斎宮忌み言葉;月経;正月言葉;女房言葉;郭言葉)
男のことば(武者言葉;武士の言葉;奴言葉・六方言葉;せんぼう;山言葉)
著者等紹介
小林祥次郎[コバヤシショウジロウ]
昭和13年2月栃木県栃木市に生まれる。昭和35年3月東京教育大学文学部文学科卒業。平成13年3月小山工業高等専門学校教授を退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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