内容説明
実は私たちの身の回りには文語による表現が多数ちりばめられている。例えば学校の校歌、手紙の文章、新聞記事等々…戦後の国語改革で否定されてきた文語文がなぜ、いまなお人びとの言語生活のなかに息づいているのか。古いことばの格調の高さがもつ魅力とその意外な効果を明らかにする。
目次
1 文語文は過去のものか
2 近代文語文とは何か
3 標準文体の模索
4 近代文語文の時代
5 昭和の文語
6 文語とどのように向き合うか
著者等紹介
三浦勝也[ミウラカツヤ]
昭和20年(1945)宮城県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程修了。近代文学専攻。都立高校教諭、立正大学講師(非常勤)、都立工業高等専門学校教授、都立産業技術高等専門学校教授(兼任)を歴任。都立工業高等専門学校名誉教授。専門は文章表現論、近代文語論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
1
旧制高校については名著「学歴貴族の栄光と挫折」の引用が興味深い。1943年の調査によると当時の旧制高校の生徒の読書形態は、和書が52%、洋書・翻訳が47%と現在の大学生より西欧に偏っていた。和書の内訳は古典和書1%、現代和書51.7%、古典洋書と古典翻訳書を併せて17.1%という数字。それにしては、文語で書かれた寮歌の作詞や古典の教養は、高等学校前の教育、5年間の中学の国語読本と自学によるものだと想定される。西欧に偏った教養主義と自らの心情を託す寮歌の文語詩。そのアンビバレンスが旧制高校の文化の特徴だ。2014/09/20
黎雪
0
時間切れで途中まで。 後日再読したい。2017/05/09