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内容説明
浮世絵はかつて生活のなかにあった。伝存する作品や資料に残る痕跡が、いまなお我々にそのことを伝えてくれる。絵画表現の展開や絵師の栄枯盛衰、流行やそれとともにある営利・経済、印刷・造本の模倣と創意工夫、出版流通の具体相…比類なき書物への愛に満ちた論者たちに導かれ、浮世絵という多色刷りの文化遺産を時代の営みのなかに捉え返していく。
目次
中国からの絵入本を翻案する―日本国内市場に向けて
版と刷を重ねた長期ベストセラー―都名所図会を事例として
錦絵成立の一考察
「座鋪八景」の成立と継承
巨匠浮世絵師を再評価する
浮世絵の流通回路
書籍業者の営業文書
著者等紹介
鈴木俊幸[スズキトシユキ]
1956年生まれ。中央大学文学部教授。専門は日本近世文学、書籍文化史。現在は近世の書籍流通を中心に研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Berlin1888
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英国の日本藝術研究所で開催のワークショップをもとにした論文集の日本語訳出版。執筆者五人中三人が外国人研究者だ! 日本人研究者が日本の浮世絵を自画自賛的に論じるのではなく、現在の海外研究者による浮世絵研究の最新知見という点が大事。白眉は浮世絵師の格付け再検証。現在における芸術としての評価を江戸に持ち込んで論じるのではなく、当時の仕事量=需要をもとに浮世絵師の位置づけを見直すべきだとの御指摘は溜飲が下がる思い。といおうか、外国人からツッコミ入る前に日本人自身が指摘しないといけなかったのでは。2018/10/14