内容説明
19世紀後半から両大戦間、出版文化は日本とフランスをつないでいた。作家や編集者、アートディレクターなどの人びとの営み、そして印刷技術や製本方式、装幀などの「モノ」の文化―テキストとイメージが協働する挿絵本という「場」を舞台に、「人」「モノ」の織りなす日仏の文化交流を多角的視点より描き出す。
目次
第1部 媒体としての書物―文化を越えて結ぶかたち(十九世紀における日本の出版文化;和装本から洋装本へ―その試行錯誤と展開;日本近代諷刺画成立へのフランスからの影響;明治半ばの欧文挿絵本出版状況―長谷川武次郎のちりめん本を中心に;十九世紀後半のフランスにおける日本関連出版物と挿絵―鳥というモティーフが担った役割)
第2部 場としての書物―テキスト、イメージ、媒介者(挿絵本研究のための覚書―日仏間の相互影響研究を目指して;「演出家ならぬ本出家」P=J.エッツェル―ジュール・ヴェルヌと編集者の協働関係における演劇の比喩をめぐって;テキストを「演出」する―ジャン=カブリエル・ダラニェスと挿絵本出版:ジャン・ジロドゥとの協働を例に;変容する都市の肖像―『タブロー・ド・パリ』から『パリ1937』へ;挿絵本『ダフニスとクロエ』に見るギリシャ回帰と古典主義)
著者等紹介
林洋子[ハヤシヨウコ] [Marquet,Christophe]
1965年京都生まれ。大原美術館特別研究員、京都造形芸術大学教員。東京都現代美術館を経て現職。専門は近現代美術史、日仏文化交流史、美術評論
マルケ,クリストフ[マルケ,クリストフ]
1965年フランス生まれ。フランス国立東洋言語文化大学(INALCO)教授、日仏会館フランス事務所・日本研究センター所長。専門は日本近世・近代の美術史と出版文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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