出版社内容情報
戦中から戦後にかけて、映画、音楽、漫画、舞踊といったヴィジュアル的で、パフォーマンス性の高い芸術は、作り手や演者が媒体(メディア)として移動するために、政治的・文化的なプロパガンダとして効果的であった。
こうした芸術の担い手たちは、いかなる動機で、あるいは誰との関係によってどこへ移動したのか。また何を移動させ、その効果はどうであったか。さらに彼ら・彼女らはどのような運命をたどったのか。
本書は「プロパガンダ芸術=移動するメディア」と、それを担った個人の思惑や彼らを動かした歴史・社会的な動態との関連を、さまざまな人間模様を通して活写する。
内容説明
戦中から戦後にかけて、映画、音楽、漫画、舞踊といったヴィジュアル的で、パフォーマンス性の高い芸術は、作り手や演者がメディア媒体として移動するために、政治的・文化的なプロパガンダとして効果的であった。こうした芸術の担い手たちは、いかなる動機で、あるいは誰との関係によってどこへ移動したのか。また何を移動させ、その効果はどうであったか。さらに彼ら・彼女らはどのような運命をたどったのか。本書は「プロパガンダ芸術=移動するメディア」と、それを担った個人の思惑や彼らを動かした歴史・社会的な動態との関連を、さまざまな人間模様を通して活写する。
目次
第1部 映画製作 投影された隠し画(「狂乱」と「新生」―娯楽映画から灰色上海まで;『狼火は上海に揚る』から『春江遺恨』へ;日本占領下における華北映画について―華北電影股〓有限公司の文化映画・ニュース映画を中心に ほか)
第2部 身体芸術プロパガンダ 横溢する美(プロパガンダと装飾芸術―張光宇『西遊漫記』をめぐって;音楽プロパガンダにおける「差異」と「擬態」―戦時下日本の「満支」をめぐる欲望;南方「皇軍」慰問―芸能人という身体メディア)
第3部 日中ポピュラー文化の戦後への延伸(戦後日本における中国古典の映画化―日本・大陸・香港・東南アジアに跨る大衆文化の記憶;戦後における李香蘭と二人の後継者―胡美芳と葛蘭;中国語映画の「戦後」―女優李麗華とその主演作品を中心に)