内容説明
日本統治時代を超えて現在まで続く日台の様々なつながり、日本で生活する「華僑」の現状や葛藤などから隣国・台湾を知る。複雑な歴史と民主化・本土化に起因するナショナルアイデンティティのゆらぎ、エスニックグループや出生地、世代などによって変化する価値観やイデオロギー、そしてIT大国として、新しい民主主義国家としての変化など、台湾の過去と現在、そしてこれからの可能性を提示する。
目次
総論 交錯する台湾認識―見え隠れする「国家」と「人びと」
1 「国家」の揺らぎ(現代台湾史の重要人物としての蒋介石;民主化後の政党政治―二〇一六年選挙から展望される可能性;すれ違う「国」と「民」―中華民国/台湾の国籍・パスポートをめぐる統制と抵抗;台湾とフィリピン、そして日本―「近さ」と「隔たり」の政治学)
2 台湾の「実像」(一九四〇~五〇年代の日台経済関係―分離から再統合へ;台湾の経済発展と「開発独裁」―「中華民国」の生き残りをかけた経済開発;ノーブランドのIT大国;一九六〇年代台湾文学の日本語翻訳活動について―『今日之中国』における文学翻訳とカルチュラル・ポリティクス;東南アジア系台湾人の誕生―五大エスニックグループ時代の台湾人像)
3 万「華」鏡の「台湾」(在日台湾人と戦後日本における華僑社会の左傾化現象;華僑・台僑をめぐる歴史的位相―台湾「天然独」の抬頭に至るまで;遺骨と祖国とアイデンティティー―一九五〇年代前半の台湾と「中国」をめぐる相剋;台湾人と日本の華人系プロテスタント教会;誰がここで他人の歌を歌っているのか―「日歌台唱」にみる、台湾人の世代交代とその交差点)
1 ~ 1件/全1件