出版社内容情報
千年を超えて東アジアに渦巻き、生み出された文化のダイナミズム寄せては返す波のように、古来、異なる文化・文明の出会いは、衝突や淘汰、融合や消化を繰り返し、新たな文化を構築してきた。
人びとの往来が、物語やイメージの伝播が、歴史的な経験や思考が、東アジアにいかなる文化を生み出したのか。
古代から近現代に至る中で引き起こされたさまざまな「事件」にスポットをあて、文化形成の過程を問い直す。
序 言 河野貴美子
? 中日における「漢」文化
中日文脈における「漢籍」 王勇
? 歴史の記述、仏僧の言説―植物・生物をめぐる
宇陀地域の生活・生業と上宮王家―菟田諸石を手がかりとして 新川登亀男
唐僧恵雲の生物学講義―『妙法蓮華経釈文』所引「恵雲云」の言説 高松寿夫
? 高句麗・百済・日本
高句麗・百済人墓誌銘からみる高句麗末期の対外関係 葛継勇
武蔵国高麗郡の建郡と大神朝臣狛麻呂 鈴木正信
? 漢文の摂取と消化
藤原成佐の「泰山府君都状」について 柳川響
幼学書・注釈書からみる古代日本の「語」「文」の形成―漢語と和語の衝突と融合 河野貴美子
? イメージと情報の伝播、筆談、コミュニケーション
西湖と梅―日本五山禅僧の西湖印象を中心に 陳小法・張徐依
万暦二十年代東アジア世界の情報伝播―明朝と朝鮮側に伝わった豊臣秀吉の死亡情報を例として 鄭潔西
朱舜水の「筆語」―その「詩賦観」をめぐって 朱子昊・王勇
? 著述の虚偽と真実
政治小説『佳人奇遇』の「梁啓超訳」説をめぐって 呂順長
文明の影の申し子―義和団事件がもたらした西洋と東洋の衝突の果ての虚 緑川真知子
? アジアをめぐるテクスト、メディア
横光利一と「アジアの問題」―開戦をめぐる文学テクストの攻防 古矢篤史
東アジア連環画の連環―中国から日本、韓国へ 鳥羽耕史
あとがき 王勇
河野貴美子[コウノ キミコ]
早稲田大学文学学術院教授。専門は和漢古文献研究。
主な著書に『日本霊異記と中国の伝承』(勉誠社、1996年)、『東アジア世界と中国文化―文学・思想にみる伝播と再創』(共編、勉誠出版、2012年)、『東アジアの漢籍遺産―奈良を中心として』(共編、勉誠出版、2012年)、『日本における「文」と「ブンガク(bungaku」』(共編、勉誠出版、2013年)、『日本「文」学史 第一冊 「文」の環境―「文学」以前』(共編、勉誠出版、2015年)などがある。
王勇[オウ ユウ]
浙江工商大学東アジア研究院院長(同教授)、復旦大学日本研究中心特聘教授。専門は中日文化交流史。
主な著書に『唐から見た遣唐使―混血児たちの大唐帝国』(講談社、1998年)、『中国史のなかの日本像』(農山漁村文化協会、2000年)、『おん目の雫ぬぐはばや―鑑真和上新伝』(農山漁村文化協会、2002年)などがある。
内容説明
寄せては返す波のように、古来、異なる文化・文明の出会いは、衝突や淘汰、融合や消化を繰り返し、新たな文化を構築してきた。人びとの往来が、物語やイメージの伝播が、歴史的な経験や思考が、東アジアにいかなる文化を生み出したのか。古代から近現代に至る中で引き起こされたさまざまな「事件」にスポットをあて、文化形成の過程を問い直す。
目次
1 中日における「漢」文化
2 歴史の記述、仏僧の言説―植物・生物をめぐる
3 高句麗・百済・日本
4 漢文の摂取と消化
5 イメージと情報の伝播、筆談、コミュニケーション
6 著述の虚偽と真実
7 アジアをめぐるテクスト、メディア
著者等紹介
河野貴美子[コウノキミコ]
早稲田大学教授
王勇[オウユウ]
浙江大学教授、浙江工商大学東亜研究院院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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