目次
1 もう一つの室町―女・語り・占い(「占や算」―中世末期の占いの諸相;物語草子と尼僧―もう一つの熊野の物語をめぐって;女性・語り・救済と中世のコスモロジー―東西の視点から)
2 男たちの性愛―春本と春画と(若衆―もう一つのジェンダー;西鶴晩年の好色物における「男」の姿と語りにおける機能;その後の「世之介」―好色本・春本のセクシュアリティと趣向;春画の可能性と江戸時代のイエ意識;艶本・春画の享受者たち;春画における男色の描写)
3 時間を翻訳する―言語交通と近代(梶井基次郎文学におけるモノの歴史;テクストの中の時計―「クリスマス・キャロル」の翻訳をめぐって;近代中国の誤読した「明治」と不在の「江戸」―漢字圏の二つの言文一致運動との関連;「時」の聖俗―「き」と「けり」と)