内容説明
過去の人びとが書き残した「古文書」にはいったい何が書かれているのか?古代から近代にわたる全四十五点の古文書を丹念に読み解くことで、古文書のもつ意味、それを記述した人びとの個性、書かれた背景をなす歴史的事件を明らかにする。また、文章の内容のみならず、文字の書かれ方、料紙、大きさなど、「モノ」としての古文書にも焦点を当て、その魅力に迫る。カラー図版をふんだんに配し、全点に翻刻・現代語訳・詳細な解説を付した恰好の古文書入門!
目次
1 かたち(長屋王家符―日本最古級の「奉書」;他田日奉部直〓護解―郡司の任用手続きの一端をうかがわせる史料;太政官符―大伴家持が署名をした神祇官への下達文書 ほか)
2 ひと(僧正聖宝置文―東大寺東南院の創建;平清盛請文―協調か対立か、平治の乱前後の平清盛と後白河院の親密な関係を物語る;北条時政請文―一代の梟雄、謎多き人物の手跡 ほか)
3 できごと(太政官符写―平将門追捕の賞を約した太政官符;源実朝袖判下文―和田合戦に見る将軍の権威;右馬允康経書状―「異国征伐」と水軍編成 ほか)