内容説明
この本では、邪馬台国の中心地、卑弥呼の都は、福岡県の朝倉市地域にあったことを、詳述する。それとともに、いわゆる「畿内説」が、データの「改ざん」など、文部科学省のガイドラインが示す「研究不正」の域に達していることをのべる。
目次
第1章 邪馬台国は、どこか―女王の都は、福岡県朝倉市にあった(考古学的データの限界)
第2章 頭の体操・京大教授、岡村秀典著『鏡が語る古代史』を読む―この本は、誤読・誤訳・勝手読みのオンパレードである(「盖」は、「蓋(衣笠)」であって、「金属」ではない
原文の改竄
「景初四年鏡」と「位至三公鏡」
「銅は徐州に出で、師は洛陽に出ず」という銘文)
第3章 「魔鏡」は、ほんとに、卑弥呼と結びつくのか―魔鏡現象は、「三角縁神獣鏡」だけに起きる現象ではない
おわりに 「畿内説」における「失敗の本質」
著者等紹介
安本美典[ヤスモトビテン]
1934年、中国東北(旧満洲)生まれ。京都大学文学部卒業。文学博士。産業能率大学教授を経て、現在、古代史研究に専念。『季刊・邪馬台国』編集顧問。情報考古学会会員。「邪馬台国の会」主宰。専攻は、日本古代史、言語学、心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mataasita
7
「邪馬台国論争に決着がついた!」の登録がないため、こちらを借りて読了を登録。前半は過去の歴史家の批判である。後半は邪馬台国東遷説につながる論拠が並び興味深い。古事記に出てきた地名がどの地方に多いかということのグラフと、北九州と奈良の地名の驚くべき一致など、調べられてきたことが具体的に分かりやすいビジュアルで示されるのはよい。古事記や日本書紀が全くのでたらめなわけはない。神武東征も北九州から大和地方への集団移動につながる一つの証拠。たくさん邪馬台国本を読んできたけれど、東遷説を自分も支持する。2024-972024/08/30
bibliotecario
2
考古学会への批判が手厳しい。学問的にはほぼ決着ついているのでは。2021/12/22