出版社内容情報
10年間にわたるフランス留学で、フランスの自由主義や文化を吸収した西園寺公望。政党政治への理解も深かった西園寺は、伊藤博文とともに政友会を結成し、2度にわたり内閣を組織した。
そして、政友会と民政党が交互に政権を担う「大正デモクラシー」を開花させたが、五・一五事件で犬養毅首相が凶弾に倒れると、政党政治は終焉した。
その後、西園寺は、昭和十二(1937)年、陸軍の横暴を押さえるべく首相に宇垣一成を推奏したが、専横を極める陸軍統制派の妨害に遭い失脚。
日独伊三国軍事同盟が調印された昭和十五(1940)年、日本の行く末を歎き、失意のうちにこの世を去った。
政党政治の成立に尽力し、暴走する陸軍と闘った西園寺公望の生涯をたどる。
内容説明
大正デモクラシーの終焉と軍部の専横。消えゆく「憲政の常道」と政党政治。
目次
第1章 政党政治家西園寺公望の活躍
第2章 山県有朋が政党政治を妨害
第3章 大正デモクラシーにおける「憲政の常道」
第4章 五・一五事件による政党政治の終焉
第5章 テロへの配当としての斎藤実内閣
第6章 二・二六事件後の粛軍
第7章 宇垣一成を擁立した西園寺の失脚
著者等紹介
鈴木荘一[スズキソウイチ]
近代史研究家。昭和23年生まれ。昭和46年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。平成13年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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