内容説明
雲南は中国の西南角に位置する。だが決して辺境ではない。その地は古来、多くの民族を受け入れ、多彩な文化を生み出し、中国本土とは異なる独自の世界を培ってきた。雲南に身を寄せ、生態や歴史や文化、民族や民俗、そしてそこに暮らす人々の目線から地域の本質に迫った、雲南をめぐる初めての総合研究。
目次
雲南学の構築にむけて―その歴史的地政学的概観
雲南の歴史と自然環境
雲南石寨山文化の世界
劉宋「爨龍顔碑」からみた南中大姓爨氏
隋時代の雲南―爨氏から南詔への節目の時代
『南詔図伝』を読む―王権神話と観音説話
大理国時代の仏教文物
茶馬交易における雲南とチベット
雲南諸民族における漢人出身神祇の受容―本主信仰・李〓(ひつ)・傅友徳・王驥・李定国・呉三桂・諸葛孔明等の神格化
中国内地会の雲南伝道戦略
江西商人の雲南定住と士大夫への歩み―清朝嘉慶帝期に江西から雲南に移住した一族の家譜が示すもの
著者等紹介
氣賀澤保規[ケガサワヤスノリ]
明治大学文学部元教授、明治大学東アジア石刻文物研究所客員研究員(所長)、東洋文庫研究員、東アジア歴史文化研究所代表。専門は中国中世史(隋唐政治社会文化史)・東アジア交流史。博士(文学・京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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