内容説明
文献中心の歴史学から、モノからみる歴史学へ―実際に現地を訪れ、都市を見つめ、モノに触れることで立ち現れる、歴史の様々な姿を提示する。文字と社会をつなぐ様々な書写材から、文献史料からはこぼれ落ちる、前近代の人々の生活を探る。コイン、土器、粘土板、パピルス、羊皮紙、ガラス、モザイク、石像、建築物など、言葉や図像を刻まれたメディアから地中海史を考察。
目次
第1部 書写材とは何か(粘土板に残された知の宝;何に記録を残すのか―「紙」の誕生とその伝播;製作者から見る「パピルスと羊皮紙」―その製法と特徴;西洋古代史研究における電子書籍使用―その現状・課題・展望)
第2部 都市を読む(記念建造物の読み方―コンスタンティヌス帝の二大建造物をめぐって;石に刻まれたメッセージ―古代ローマの凱旋門とラテン語碑文;彫刻というプロパガンダ―トラヤヌス記念柱の意義;ローマ帝国東方属州におけるコインの政治的・経済的役割;リバースエンジニアリングとしての建築史学―考古学と建築学のあいだで)
第3部 様々なる「史料」(ポンペイはいつ埋没したのか―噴火の日付をめぐる論争;時代を証言する土器;窓ガラスの誕生と浴場―ローマ帝政初期の考古・文献資料の検討;モザイクの変遷―技術とモチーフ;オスティア・アンティカ遺跡「七賢人の部屋」の文字調査報告)
著者等紹介
豊田浩志[トヨタコウジ]
1947年生。1977年、広島大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。1997年広島大学博士(文学)。現在、上智大学文学部史学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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