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内容説明
中世的世界観が近代知を生みだす胎動期の歴史―十六~十八世紀のドイツの諸侯が創りだした奇想天外で華やかなりしコレクションの数々。一〇〇枚を超える写真とともに、「知」の成立によって形づくられた地方都市の歴史と文化に触れる。
目次
1 シュレースヴィヒ―ゴットルフ城の巨大地球儀
2 カッセル―グリム童話の町の「木の百科文庫」
3 ゴータ―忘れ去られた名家の遺産
4 ルードルシュタット―中部ドイツの小さな文化都市
5 ハレ―孤児院が残したコレクション
6 デッサウ―ヴェルリッツの奇想庭園王国
7 ゲルリッツ―科学による地域改革をめざして
8 マンハイムとカールスルーエ―驚異の都市計画
9 シュトゥットガルト―産業都市がもつ「ワイルド」な側面に迫る
10 ランツフート―ヴィッテルスバッハ家と再現される驚異の部屋
著者等紹介
森貴史[モリタカシ]
1970年生まれ。関西大学文学部文化共生学専修教授(ドイツ文化論、ヨーロッパ紀行文学)。哲学博士(ベルリン・フンボルト大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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をとめ
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図書館2016/04/22
dilettante_k
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18世紀に最盛期を迎えた、統一前のドイツ邦国10都市の君主たちのコレクションや建築、庭園を取り上げ、啓蒙主義と古典主義を両輪にした文化の発展史を辿る。18世紀は、無秩序で遊戯的なヴンダーカマーが、科学的探究と実利的な実験と教育の場に変容した時期にあたる。小国の啓蒙君主たちは、グランドツアーに赴き、自ら技術と情報を収集しながら、プロイセンやフランスなど台頭する周辺大国の勢力に「文化」の力で立ち向かう。コレクションが次第に公的かつ学術的な性格を帯びても、君主個人の好奇心を少なからず反映した各蒐集物が魅力的。2015/01/26