内容説明
平安時代末期より戦国期にいたるまで長い命脈を保った備中国新見荘。東寺領であったことにより東寺百合文書等に多くの文献史料が残り、また、中世村落の景観を垣間見ることのできる環境を有する日本中世史研究における稀有なフィールドである。本書では文献資料の分析を軸に政治史・経済史・環境論・古文書学等にまたがる多面的な検証により、生産・流通、自然環境、地域社会、支配構造など、中世荘園をめぐる歴史的状況を立体的に描き出す。
目次
1 自然環境と生産・収取(応永~寛正年間の水干害と荘園制;新見荘における代銭納の普及過程;新見荘代官祐清の年貢収取及びその評価を巡る再検討 ほか)
2 荘園支配の構造(最勝光院領備中国新見荘領家職相論の再検討;新見荘と寺領惣安堵―一通の御判御教書案を通じて;新見荘をめぐる大覚寺覚勝院と細川氏・安富氏 ほか)
3 地域社会と荘園・公領(備中国国衙領の支配構造と新見荘;百姓等申状・三職等注進状の収集と分析;下地中分後の室町期荘園―備中国新見荘地頭職・地頭方と新見氏 ほか)
著者等紹介
海老澤衷[エビサワタダシ]
1948年生。早稲田大学文学学術院教授・大学院文学研究科長。専門は、中世荘園開発史・東アジア村落論
高橋敏子[タカハシトシコ]
1955年生。東京大学史料編纂所准教授。専門は、東寺関係史料研究・中世荘園史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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