内容説明
私たちはどこから来て、どこへ行くのか?考古学、日本史学、民俗学、言語学、先史学、人類学を総合した、新しい非唯物史観の歴史学。その人類・人間観を定点として、日本人の生きた古代から現代までの「現実」を解く。
目次
第1章 人類と人間はどのようにして形成されたのか
第2章 世界の枠組み―位相について
第3章 イメージの世界―往生要集
第4章 穢と救済
第5章 神の位相
第6章 天皇の世界
第7章 そして、現代の日本
第8章 もう一つの現実―オウム真理教事件
著者等紹介
竹岡俊樹[タケオカトシキ]
1950年京都府生まれ。明治大学史学地理学科卒業、東京教育大学日本史学科修士課程卒業、筑波大学歴史人類学研究科博士課程単位取得退学、パリ第6大学(ピエールとマリーキューリー大学)第4紀地質学博士課程修了。パリ第6大学博士。現職、共立女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ルアット
5
石器時代から徐々に人間らしいコミュニティを作り始め、そんな中から日本のシャーマニズムな世界が形成されていった。そして、そこに日本人の慣習やしきたりの起源があることを見出せる。また、天皇の存在の意義も定義されていき、古代の天皇から現代の天皇まで価値の変遷についても言及されている。そして、高度成長期から現代までのサブカルチャーにもふれ、オウム真理教の本質にも触れている。非常に面白かった。2015/03/14
Tom
4
著者は考古学者。世界を象徴的に捉える右脳と論理的思考を司る左脳という前提に立ち、考古学から民俗学、歴史学、人類学、言語学を駆使し、古代の祭礼や天皇制、サブカル、オウム事件などを取りあげて、人が象徴的世界と論理的世界という二重にかさなった世界で生きていることを説明している。相矛盾する2つの世界を矛盾なく生きるために論理的世界の上に感性的な感性的世界を置いてしまうと、人は「天皇万歳」と言って命を散らしたり、魂を救済するためにテロを起こす。現代の陰謀論もほぼほぼ同じ構造だろう。論理より感性が勝る。2023/09/18
えくりぷす
0
『考古学崩壊』からの流れ。題名どおり、様々なことについて述べられており、少女マンガや松田聖子にまで言及されていた。2015/11/30