内容説明
江戸時代後期に二宮尊徳が小田原藩領で実施した農村復興・財政再建政策=「報徳仕法」。その着手から撤廃に至る過程と政策の実態を、各地に伝わる古文書や尊徳自筆の日記・手紙などの一次史料から明らかにする。農村改良と藩政の展開、農民や指導者によるネットワークの形成など、地域社会の変革を多面的に考察し、近世社会の特質と尊徳の実像に迫る。
目次
序章 報徳仕法の研究と本書の構成
第1章 報徳仕法導入以前の小田原藩領
第2章 小田原藩政の展開と二宮尊徳―藩主大久保忠真の酒匂河原での表彰の意義をめぐって
第3章 二宮尊徳の窮民救済仕法―天保飢饉直後の野州烏山領と駿相州小田原領
第4章 小田原藩政の展開と報徳仕法
第5章 小田原藩の「御分台」と二宮尊徳
第6章 小田原領内の報徳仕法
第7章 用悪水堀と道普請にみる報徳仕法
第8章 伊豆韮山の報徳仕法と「報徳」ネットワーク
第9章 小田原宿報徳社の成立と展開
第10章 小田原報徳仕法「畳置」をめぐる諸問題―弘化三年の小田原藩と二宮尊徳
終章 これからの報徳仕法研究のために
著者等紹介
松尾公就[マツオキミナリ]
1955年長野県生まれ。1983年立正大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得、退学。報徳博物館学芸員、立正大学・成城大学非常勤講師を経て、現在、昭和館図書情報部長。専門、日本近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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