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日本人を肯定する―近代保守の死

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  • サイズ B40判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784585210498
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

出版社内容情報

三島由紀夫、江藤淳、西部邁…
戦後日本の保守論客たちの自死は何を意味するのか?粉砕すべき「近代」という架空概念、変質したマルクス主義に翻弄され続けた20世紀。
その根底にある聖書の思想の正体と暴力と執拗な批判による伝統文化、秩序の破壊を正当化する運動の関連を明らかにする。

日本人の劣化・自滅は防げるか?
世界の思想、日本の思想の同時代状況を生きた著者の述懐と血路を示す。

序章 なぜに「近代」保守は自死したのか
知識人なら理論化しておくべき三人の自死
西部邁氏の死を考える
自然死と病院死
保守の名の最後の二冊
文化の革命を意味する社会主義化
三人が対峙すべきだったフランクフルト学派の思想
アメリカと「批判理論」を共有した日本
文化革命の経典
三島由紀夫と東大全共闘
日本の問題に国際関係を察知する能力
知識人の自死は思想の連続性の拒否
予知できないことそのものである人生
おおやけの死ということ
殉死と解釈できる江藤氏の自死
パンゲの『自死の日本史』
一人で生き一人で死ぬことは不可能
「近代」を背負う知識人

第一章 虚構の「近代」思想を排す
近代とはつくられた思想
誤解されている人類の進化イラスト
わからないものはわからない
国家と「近代」
文化を見ればわかる進化論の誤謬
六〇〇〇年前には存在していた稲作
近代の危険
公共に常に結びつく美
美術館が誕生した理由
明治維新後二十二年を経て公布された帝国憲法
対外勢力に対して使われた文字
言葉の思想の非現実性
意味のない「近代の超克」
古典の真意
司馬遼太郎の合理性と天皇
天皇が論じられるべき理由
虚構を得意とする近代
人間の実際と「近代」
言葉だけの問題

第二章 二十世紀を席捲したユダヤ思想の正体
キリスト教・ユダヤ教の対立の根本
ユダヤ教を含むキリスト教
西洋キリスト教世界の核心
二つのユダヤ思想に過ぎないキリスト教
トランプ政権とユダヤ
ホロコーストの否定は犯罪
ユダヤ人の行動は陰謀ではなく必然
パーリアとノマド
ユダヤ人の共通項
スペイン追放とユダヤ人・コロンブス
民族観を意識しない日本
三英傑とユダヤ
ユダヤ僧侶の徳川転覆の謀略
アヘン戦争とユダヤ
利子の問題
ゾンバルドのユダヤ経済分析
ディアスポラ(離散)が生む成功
表に出るのは政治的な歴史のみ
ロスチャイルドの五人の息子
ナポレオンとユダヤ
抽象を拒否する日本
神道と仏教の共存
ユダヤ人の欠点
世界がないということの意味
ハイデガーとアーレント
ナショナリズム
日本人と原罪感
日本が滅ばない理由
寒くて暗いヨーロッパ

第三章 ユダヤ思想マルクス主義の終焉
マルクス主義はユダヤ思想だった
共産主義には銀行のお金が必要だ
結局はユダヤ人革命
共産主義宣伝の成功
文化への方向転換
イエスとマルクス
印象派、ピカソ、デュシャン
おのずから残る伝統と文化
アメリカの名でなされるユダヤ批判
アイデンティティの欠如

第四章 西洋が「没落」しても、日本は「没落」しない
一〇〇年前の西洋の没落
不幸をもたらした福沢諭吉
日本人の自画像
思想史の途絶え
日本人を肯定する
はじめに「あまつちありき」
敗戦という言葉
日米戦争の虚実
言葉というものの限界
日本には無関係な「没落」
春夏秋冬
日本にいることが神道
西洋にはない新年の感覚
日本の基本
傷つきようのない神道
自然の営み
人を肯定する言葉
自然史に生きる日本
ニヒリズムには絶対にならない無神論
すべて嘘
孔子の『論語』の世界と日本は異なる
空海の思想
日本人の性に自信を

あとがき

田中英道[タナカヒデミチ]
著・文・その他

内容説明

三島由紀夫、江藤淳、西部邁…戦後日本の保守論客たちの自死は何を意味するのか?「近代」思想が破壊しようとする、伝統文化と秩序。その背景にあるユダヤ思想の正体、そしてマルクス主義との関連を明らかにする。日本人の劣化・自滅は防げるか?

目次

序章 なぜに「近代」保守は自死したのか(知識人なら理論化しておくべき三人の自死;西部邁氏の死を考える ほか)
第1章 虚構の「近代」思想を排す(近代とはつくられた思想;誤解されている人類の進化イラスト ほか)
第2章 二十世紀を席捲したユダヤ思想の正体(キリスト教・ユダヤ教の対立の根本;ユダヤ教を含むキリスト教 ほか)
第3章 ユダヤ思想マルクス主義の終焉(マルクス主義はユダヤ思想だった;共産主義には銀行のお金が必要だ ほか)
第4章 西洋が「没落」しても、日本は「没落」しない(一〇〇年前の西洋の没落;不幸をもたらした福沢諭吉 ほか)

著者等紹介

田中英道[タナカヒデミチ]
1942年生まれ。歴史家、美術史家、東大文学部卒、ストラスブール大学Phd.東北大学名誉教授、ローマ、ボローニャ大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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軍縮地球市民shinshin

9
三島・江藤・西部の自死について思想的に解明を行った著作だが、この3人の自死は取ってつけたように感じた。西洋人を基準としたフロイトの精神分析が日本人には当てはまらないなど、面白い視点もあるが、全体的には陰謀論めいていて、あまり感心しない。2018/12/18

新父帰る

5
三島、江藤、西部の自死の意味について率直に論じる。特に西部の自死に言及多し。陰謀論めいた話だが、ディアスポラユダヤ人がグローバルリズムの担い手であったが、イスラエル国家の建国でナショナリスト・ユダヤ人が増え、グローバリズムの弊害が低減していると指摘。「近代」というのは、虚構だと論じ、明治維新の西洋思想の急激な導入で本来の日本の伝統と文化を軽視した、そのつけが現代まで影響し、前記三人の保守論客に焦燥感を抱かせ、自死の道に追い込んだという分析。最後に日本人としての矜持を持つべしとし、著者の宗教観を展開、賛同。2018/10/24

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