出版社内容情報
聖徳太子は、中国の南岳衡山から、前世所持の『法華経』を持ち帰らせた。
ところがそれは弟子の経であったため、夢殿に入定した太子は、自ら青龍車に乗って、衡山まで天翔けた―。
この衡山は、かつて達摩と慧思が対面した地であり、その慧思は聖徳太子に転生し、片岡山で達摩の化身の飢人と対面した―。
日本における聖徳太子伝の核心をなす、南岳衡山をめぐる太子伝説話を出発点とし、文献・儀礼・聖遺物・絵画など各方面から、古代・中世の聖徳太子信仰の諸相を描きだす。
口絵 本證寺本・杭全神社本『聖徳太子絵伝』全幅
序言 吉原浩人
第一部 南岳衡山と聖徳太子信仰
聖徳太子恵思転生伝承の展開―衡山取経説話のテクスト諸位相 阿部泰郎
南岳衡山における転生言説の展開―聖徳太子伝・絵伝にみる慧思三生・七生説と達摩東漸譚 吉原浩人
第二部 古代の聖徳太子信仰
『日本書紀』「推古天皇紀」に見える外交文書 高松寿夫
『日本霊異記』における聖徳太子 河野貴美子
『聖徳太子伝暦』における漢語表現 崔鵬偉
『扶桑略記』のなかの聖徳太子―恵思転生説を中心として 三好俊徳
聖徳太子をめぐる聖遺物と転生言説との相関 近本謙介
第三部 中世の聖徳太子信仰
聖徳太子を祀る儀礼空間―中世法隆寺を中心として 郭佳寧
慶政と聖徳太子信仰―嘉禎四年前後以降 牧野和夫
「瑞渓周鳳と『聖徳太子伝暦』―『善隣国宝記』と『臥雲日件録抜尤』をめぐって 田村航
『真宗曼荼羅』に図像化された聖徳太子信仰―いわゆる『光明本尊』妙源寺本の構造的解釈 安藤章仁
附録
絵解き台本:聖徳太子前生譚―太子衡山へ翔ぶ 郭佳寧
絵解き台本:聖徳太子的前生今生之衡山取経 郭佳寧
「聖徳太子信仰・聖徳太子伝基本研究図書目録 吉原浩人
跋文―衡山シンポジウム開催の経緯など 阿部泰郎
跋文―南岳衡山で聖徳太子絵伝を絵解く 吉原浩人
執筆者一覧
阿部泰郎[アベヤスロウ]
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吉原浩人[ヨシハラヒロト]
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内容説明
日本における聖徳太子伝の核心をなす、南岳衡山をめぐる太子伝説話を出発点とし、文献・儀礼・聖遺物・絵画など各方面から、古代・中世の聖徳太子信仰の諸相を描きだす。絵解き台本とともに杭全神社本『聖徳太子絵伝』を全幅カラー掲載!聖徳太子信仰・聖徳太子伝についての基本研究図書目録を収載!
目次
第1部 南岳衡山と聖徳太子信仰(聖徳太子恵思転生伝承の展開―衡山取経説話のテクスト諸位相;南岳衡山における転生言説の展開―聖徳太子伝・絵伝にみる慧思三生・七生説と達摩東漸譚)
第2部 古代の聖徳太子信仰(『日本書紀』「推古天皇紀」に見える外交文書;『日本霊異記』における聖徳太子;『聖徳太子伝暦』における漢語表現;『扶桑略記』のなかの聖徳太子―慧思転生説を中心として;聖徳太子転生言説の宗教史―ふたつの聖なる遺物をめぐる道長・頼道とのかかわりへの視座)
第3部 中世の聖徳太子信仰(聖徳太子を祀る儀礼空間―中世法隆寺を中心として;慶政と聖徳太子信仰―嘉禎四年前後以降;瑞渓周鳳と『聖徳太子伝暦』―『善隣国宝記』と『臥雲日件録抜尤』をめぐって;『真宗曼荼羅』に図像化された聖徳太子信仰―いわゆる『光明本尊』妙源寺本の構造的解釈)
附録
著者等紹介
阿部泰郎[アベヤスロウ]
名古屋大学人文学研究科附属人類文化遺産テクスト学研究センター教授・センター長、早稲田大学日本宗教文化研究所招聘研究員。専門は、中世日本宗教文芸、宗教テクスト学
吉原浩人[ヨシハラヒロト]
早稲田大学文学学術院教授、早稲田大学日本宗教文化研究所所長、浙江工商大学東亜研究院客員教授、広東外語外貿大学東方語言文化学院客員教授。専門は、日本宗教思想史、東アジア文化交流史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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