内容説明
東アジアの朱子後継者のなかで日本的な朱子学、あるいは朱子学の日本化を成し遂げたという山崎闇斎。彼を筆頭にする崎門学派の理気心性論の言説をとくに朝鮮の李退渓との比較において東アジアの近世思想史のなかに再定位する。
目次
序章 問題と方法
第1章 羅整菴と李退渓の思想―崎門学派の理解の前提として
第2章 崎門学派と李退渓・薛敬軒・羅整菴―理気論にみえる崎門学派の思想史的位置と朱子理解の仕方
第3章 山崎闇斎の思想―日本朱子学の原型
第4章 佐藤直方の思想―「理気妙合」の現実的思考法
終章 課題
著者等紹介
嚴錫仁[オムソギン]
韓国江原道束草市生まれ。高麗大学校哲学科卒業。韓国精神文化院韓国学大学院修士課程哲学・宗教専攻修了。筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科満期退学。博士(文学)。成均館大学校儒教文化研究所研究教授、八洲学園大学家庭教育専攻准教授、(一社)倫理研究所専門研究員等を経て、筑波大学人文社会系国際日本研究専攻准教授。専門分野は東アジア儒学思想史、家庭教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
4
第一章で二人の「朱子学者」、「理気一物」の立場を取った明代の羅整庵と、理気の峻別を説いた朝鮮の李退渓の思想を論じ、それを前提として日本の「朱子学者」たる闇斎と佐藤直方の思想を検討する。著者は、李退渓を尊敬した闇斎が、思想的にはむしろ整庵に近いとする。メインが理気論なので、理・気は勿論太極・無極、周敦頤の太極図等を扱うので私などには中々に手強かったが、「文会筆録」などから闇斎や直方自身の「声」を丹念に拾っていく著者の論の進め方から、彼らの苦闘を感じられて嬉しかった。朱子の思想についてももっと知りたくなった。2015/11/18
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