内容説明
民族・国境を超えて伝播し、言語・思想・造形等に大きな影響を与え、王権や儀礼とも密接に結びついた仏教。その普遍宗教は、アジア世界をつなぐ紐帯としてあった。中国史料の多角的読み解きにより、仏教を媒介とした交流・交渉のありようを照射、アジア史の文脈のなかに日本を位置づける。
目次
1 信仰と認識(胡語から梵語へ―日中仏教文献におけるインド・西域言語の認識;中国仏教美術における「火焔光背」の出現)
2 仏教と王権(唐代の内道場と内供奉僧について;天皇の受潅頂と皇帝の受潅頂 ほか)
3 奇瑞と文化(みごもりの夢―高僧の誕生をめぐって;掘り出される石の讖文―聖徳太子未来記と宝誌和尚讖 ほか)
4 美術と技術(五代宋初に至る仏画における呉道玄様式の展開;王古撰『新修浄土往生伝』小考―院政期日宋交流の一齣 ほか)
著者等紹介
佐藤文子[サトウフミコ]
1965年生まれ。本願寺史料研究所研究員、佛教大学・関西大学非常勤講師。専門は思想史・宗教史・史学史
原田正俊[ハラダマサトシ]
1959年生まれ。関西大学文学部教授。専門は日本中世史・仏教史
堀裕[ホリユタカ]
1969年生まれ。東北大学准教授。専門は日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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