世界の作家
コンラッド―人と文学

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784585071655
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0098

内容説明

コンラッド文学を読み解く鍵は「ユーモア」だった!ポーランドに生まれ船員から転身した特異な英語作家コンラッド。その海や政治をめぐる作品世界を貫くものは、豊かなパロディとコメディだった。斬新なアプローチと新鮮な読みから今あきらかにされる、「大家」の新たな作家像。

目次

第1部 評伝(はじめに―コンラッドの「作家像」をめぐって;笑える作家、コンラッド;語り部コンラッドの源流;「亡命」と「罪意識」の伝説 ほか)
第2部 作品案内(小説;共作;評論;回想録 ほか)

著者等紹介

武田ちあき[タケダチアキ]
1962年生まれ。お茶の水女子大学大学院博士課程修了。埼玉大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

honyomuhito

62
先に読んだ地獄の黙示録の原作「闇の奥」の解説者のコンラッド論。英国小説の伝統を担う作家を捕まえて、パロディが得意なコメディ作家だったとはシロウト目には思い切った説だなと思われるわけであるが『受け入れがたい現実をそれでも受け入れようとするときに、後ろ向きでなく対峙する方法は、すべてを笑劇としてとらえてそのままに受け止めるというコンラッドの作家的態度だった。』とする著者の考察は帝国主義の劣悪さへの対抗・共存の仕方であったと考えると、遠い時代の作家であっても不思議とどこか共感を覚える気がしてくるのである。2020/10/15

やまがら

1
『闇の奥』の解説がとても面白かったので、この機会に、その執筆者の先生によるコンラッド論も読んでみた(2005年刊)。大作家の作品だからといって、重厚で深刻なもの、という先入観にとらわれることはない、コンラッドを読み解く鍵はユーモアだ、というお話を勢いのある文章で楽しく読ませていただいた。文学作品は予備知識なくそのまま読んで楽しむのも良いけれど、書かれた時代背景や作家の人生を知れば、ますます面白い。『闇の奥』ではそのことを如実に教えてもらった。また読もう。ほかのコンラッド作品も読みたい。自伝も興味深い。2016/02/14

Nobody1

1
ユーモアをキーワードにコンラッドの評伝を詳しく記載している。さくさく読める絶好のコンラッド案内。 「コンラッドは軽い。ときには大仰な文体それ自体が軽妙なおふざけであり、ときには果てしなく重い世界を描いてはいても、それを相対化する筆致はそうした世界の重力を超越して踊っている。この徹底した外国人たる眼の持ち主は、つねに対象から距離を置いた自由な立場の軽さをこそ、いかなる作品においてもその本領としていたのである」2012/06/30

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