感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びすけっと
13
2008年3月刊。五千円札登場から時期を外してしまった刊行に恥じている著者がかわいらしく感じました。著作や日記とその現代語訳をふんだんに盛り込んだ一葉論。著作案内や読みどころが巻末に著されているのは良心的。一葉が生きた時代が明治政府による家父長制が民法で確固となる直前だったことが衝撃でした。一葉が筆一本で生計を立てる意思を固めたことは生年が五年遅かったら難しかったのでは?と感じました。女性の心中をあからさまに描いていることは、時の作家たちに相応以上の衝撃を与えただろうなあ。2016/02/01
ToshihiroMM
0
樋口一葉の評伝は一葉自身の人生に焦点を当てたものが多い中、この本は創作者としての一葉が影響を受けた人や体験が(筆者自身の推測とともに)強調されているように感じた。創作を嗜む人、創作的な仕事についている人は、一葉が自らに課した課題の過酷さを知って恐れおののくはず。2019/08/28