内容説明
百歳の長寿をその死の二日前まで現役作家として在り続け、遺作となった長編の最終章を練りに練っていて倒れた野上彌生子。晩年の随筆集『花』の解説で中野孝次は、「驚くべき長寿」であるばかりか「いまなお文学の第一線で活躍していられるという事実を目のあたりにしては」言葉を失うといい、「こんな例は、世界文学史にも稀有であろう。まさに文学の国宝といっていい存在である」と述べている。野上彌生子を敬愛する著者が、孜々営々の八十年間にわたる錬磨が生み出した文業を精査した評伝の決定版。
目次
第1章 生い立ちから作家誕生まで(彌生子の生地・臼杵;生家・小手川家;父・小手川角三郎と叔父・金次郎 ほか)
第2章 作家誕生(習作「明暗」の頃;作家自立に向けて;人と文学の原点 ほか)
第3章 作家確立期(素材の拡充;視界の拡がりとライバル意識;同伴者文学、初の長編『真知子』 ほか)
著者等紹介
渡邊澄子[ワタナベスミコ]
東京都新宿区生まれ。大東文化大学名誉教授。日本女子大学文学部国文科卒。同大学院文学研究科日本文学専攻修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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