内容説明
出雲から、大量の銅剣・銅鐸が出土した。これは出雲神話の伝える「出雲の国譲り」の結果、うずめられたものではないのか。三五八本の銅剣や銅矛の出土した神庭荒神谷遺跡にしても、三十九個の銅鐸の出土した加茂岩倉遺跡にしても、出雲の国の西がわの地で、大国主の命が活動したと伝えられる場所と、ほぼ一致している。神話のなかに、歴史的事実の核があるようにみえる。しかし、この事実から、多くの研究者は目をそらしつづけている。それはなぜか。
目次
プロローグ 出雲研究を批判する―出雲神話の探求は、『古事記』『日本書紀』の記載を中心に進められるべきである
第1章 伊邪那美の命神話―出雲勢力の女性と、九州勢力の男性が結ばれた、ていどの史的事実の核は、あったのではないか(比婆の山はどこか―伊邪那美の神の墓を求めて;『日本書紀』にみえる伊奘冉の尊の葬地―和歌山県熊野市有馬村上地花窟神社の地 ほか)
第2章 須佐の男の命神話―大蛇の尾から出た剣が、今も名古屋市の熱田神宮にある!(須佐の男の神の天下った鳥髪の地;草那芸の剣(天の叢雲の剣)の流転―三種の神器の一つが、なぜ愛知県の熱田神宮にあるのか ほか)
第3章 大国主の命神話―神話と考古学的発掘とが、重なりあう(出雲神話の語るもの;大国主の命の活躍の舞台 ほか)
著者等紹介
安本美典[ヤスモトビテン]
1934年、中国東北(旧満州)生まれ。京都大学文学部卒業。文学博士。産能大学教授を経て、現在、古代史研究に専念。『季刊 邪馬台国』編集責任者。専攻は、日本古代史、言語学、心理学
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