内容説明
このエッセイ集に示される一篇々々の文章は、ウイルス学の蘊蓄はもちろんのこと、その時どきの感懐を胸奥に秘めつつ、暖かく深い人間観に満ちみちた科学者の真骨頂、真髄を如実に物語る。ウイルス病と闘い、ウイルス学五十余年の碩学の真率で心豊かな表現がここにある。ウイルス学から時代の危機を、未来への展望を現代に問う碩学のエッセイ第1集。
目次
1 ウイルス学散歩(ウイルス遍歴;尋常ならざるウイルス ほか)
2 ウイルス四方山話Q&A(対AIDS戦に分子生物学は役に立っているか;風邪をひく ほか)
3 ウイルスに挑む(エイズと戦う;もはや蟷螂の斧ではない―エイズ治療の朝明け ほか)
4 ウイルスと人間(仮説・ウイルス人類学―ATLウイルスの研究から「日本人の起源」と「人類の移動」が見えてきた;科学技術と人間 ほか)
著者等紹介
日沼頼夫[ヒヌマヨリオ]
1925(大正14)年、秋田県に生まれる。東北大学医学部卒業。東北大学教授、熊本大学教授を経て京都大学ウイルス研究所教授、同所長。1988年、退官とともに塩野義製薬(株)医科学研究所長、副社長を歴任。京都大学名誉教授、熊本大学名誉教授。「成人T細胞白血病のウイルス病因の発見」により文化功労者、恩賜賞・日本学士院賞など多数を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- 辻斬り 講談社文庫