内容説明
宮沢賢治の愛読書『青い鳥』、『鏡の国のアリス』、法華経、アンデルセン、柳田国男…。それらの素材をいかに変容させ、独自の世界を展開したか?模倣から創造へと転化させた賢治の創作の秘密を解き明かす。
目次
賢治童話の方法―「転化」と独創
「祭の晩」と『山人外伝資料』
「北守将軍と三兄弟の医者」と『後漢書』『新疆探険記』
「銀河鉄道の夜」と『理想郷』
「風野又三郎」と「風の又三郎」―又三郎から高田三郎へ
「ポラーノの広場」初期形態と最終形態―自給自足経済から産業組合へ
「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」と「グスコーブドリの伝記」―慢心から献身へ
「銀河鉄道の夜」初期形と最終形―決意の表明から秘められた決意へ