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内容説明
12世紀。風流天子徽宗の御世の『清明上河図』。清緻な画法で、北宋時代の都市がカレイド・スコープのようにまわる。なにが描かれ、なにが封じこめられたのか。『水滸伝』のなかにもかきこまれる開封。16名の読み手による謎解き。
目次
1 『清明上河図』をよむ(『清明上河図』と北宋末期の社会;境界の風景―形象としての、あるいは方法としての ほか)
2 画中の世界(『清明上河図』中のひとびとの識字と計算能力;『清明上河図』にみる飲食 ほか)
3 比較史からの読み(『清明上河図』と日本の都市景観―『年中行事絵巻』『一遍上人絵伝』『洛中洛外図屏風』との比較を通して;絵画史料としての『清明上河図』―日本史からの読み方)
4 織りなす世界(『清明上河図』は『金瓶梅』の生みの親?;『清明上河図』の行交う人々に会い、その運命を読む)
5 西からのまなざし(「橋の下、水は流るる:『清明上河図』に関するさらなる一考察」より抜粋;『清明上河図』と宋代東京の歴史的地理 ほか)
著者等紹介
伊原弘[イハラヒロシ]
1944年生まれ。城西国際大学人文学部客員教授。中央大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。宋代を中心とした社会史的考察の開拓に集中して研究中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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アメヲトコ
4
2003年刊。宋代中国の都市景観を描いた傑作である「清明上河図」に関する共同研究で、『アジア遊学』11号(1999年)を増補したもの。論考はかなりクオリティの差が激しいですが、個人的には家具を仔細に読み込んだ小泉和子論考と、地理学の観点から清明上河図の舞台を検討したリンダ・C・ジョンソン論文を面白く読みました。もっとも執筆者間でもこの図の解釈は分かれており、刊行後だいぶ時間も経っているので、最新の成果がどうなっているのかも知りたいところ。2022/09/29
韓信
1
伊原先生を筆頭に、東洋史をはじめ中文、都市・建築史、美術史、日本中世史や海事史、生活史など多分野の執筆陣が『清明上河図』を分析する学際的論文集。描かれた建築、船舶、家具、飲食物などから当時の社会や、画巻の製作意図・年代を読み解こうとする意欲作。玉石混交だが、修復による一部の欠落を指摘する中野美代子や、宋代の船を復元する山形欣哉、不明瞭な画巻の看板から膨大な情報量を読み解くさすがの伊原弘など、面白い論考が散見。しかし描かれた人々から妄想を膨らませて小説を紡ぎ出す清木場先生は自由すぎだろ。面白いし共感するけど2017/08/25
ワッピー
0
当初はムック本を想定して手に取ったのですが、さまざまな角度から分析がなされて描かれた世界の中にこれだけの情報があったのか!とびっくり。この中でよく言及される「東京夢華録」にも挑戦してみようと思います。2010/05/13