内容説明
現存最古の長篇物語「うつほ物語」、その多角的読み解きから物語文学史を更新する。第1篇では、物語の根底的概念を証し立てる分析を通して、長篇物語の表現形成の特質を追究。第2篇では、『源氏物語』と本居宣長の関係を基準として、細井貞雄を中心に、近世の享受の様相を見通す。
目次
1 長篇物語の表現形成(長篇物語を形成する表現―いわゆる「重複」本文の問題から;長篇の序章、俊蔭の物語の誕生―入唐僧の文学との関わりから;秘琴伝授の型と物語の展開力―「俊蔭」巻の主題と方法;求婚譚の論理とあて宮の琴―「藤原の君」巻のあて宮詠「七夕の逢ふ夜の露を」を起点として;歴史的文脈の形成―忠こその出家をめぐって ほか)
2 物語享受の様相(物語学の精神―『うつほ物語』の享受史から;物語注釈における“誤読”―川嶋心貞の『うつほ物語考』をめぐって;『玉琴』の源氏観―細井貞雄と『うつほ物語』)
著者等紹介
江戸英雄[エドヒデオ]
1968年大阪府生まれ。1991年神戸大学文学部文学研究科国文学専攻卒業。1996年神戸大学大学院文化学研究科文化構造専攻(博士課程)中途退学。1996年文部省大学共同利用機関国文学研究資料館研究情報部助手。現在、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学研究資料館文学形成研究系助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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