内容説明
四国は讃岐から異国の風吹く長崎を経て、花のお江戸へ。時は享保の徳川時代、平賀源内、右京之介、稲葉小僧たちが繰り広げる痛快無比の傑作時代劇。一九七一年にNHKで放映され、驚異的な人気を誇った伝説のテレビドラマ、復活。
著者等紹介
早坂暁[ハヤサカアキラ]
1929年、愛媛県松山市生まれ。作家。本名、富田祥資。日本大学芸術学部演劇科卒業後、業界紙編集長、出版事業に従事しながらテレビシナリオを書き始める。以後、小説、映画シナリオ、戯曲、舞台演出、ドキュメンタリー製作を手がける。代表作に、「夢千代日記」「花へんろ」「天下御免」「天国の駅」「ダウンタウンヒーローズ」「華日記」「公園通りの猫たち」などがある。新田次郎文学賞、講談社エッセイ賞、放送文化基金賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、芸術祭大賞、モンテカルロ国際テレビ祭脚本賞、放送文化賞ほか受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yyrn
18
高松藩の窮乏を救う殖産の話、その褒美に平賀源内が躍進するきっかけとなった長崎留学の話、かたき討ちの話、一揆や米蔵打壊しの話、百万人都市江戸のゴミ問題、長崎出島の話、オランダ人との間に生まれた混血児の話、金を大量に海外流失させてしまった失政の話、藩籍を簡単には変えられない話などの歴史の要点や武家社会のしきたりなどを押さえつつ、コメディータッチのNHK時代劇「天下御免」(1971)の復刻(と言っても刊行は2006年の)シナリオ集。ドラマとしての面白さ以上に、55年も前のドラマなので去年のTBSドラマ⇒2025/05/14
まさにい
4
子供の頃このテレビ番組を見て衝撃を受けた。山口崇の平賀源内役がすごく気に入っていた。挿入歌も好きであった。『風、風~♪かぜ、かぜ~♪風はおいらが起こすんだ!自由のかぜよふきまくれ、天、天、天下の御免丸~♪』という歌詞。自分の疑問を徹底的に追及して、腑に落ちなければ、お上であろうと、ユーモアとウイットと信念で貫き通す潔さ。憧れでした。この前、古本屋の前を通ったら、100円で売っていた、買っちゃいましたよ、勿論。今でも、色あせないなぁ~。本当に。2017/04/03
ゴリゾウ
1
NHK1971年10月8日~1972年9月29日放送。 平賀源内=山口崇、小野右京之介=林隆三、稲葉小僧=津坂匡章、紅=中野良子、杉田玄白=坂本九、田沼意次=仲谷昇/四国は讃岐から異国の風吹く長崎を経て、花のお江戸へ。時は享保の徳川時代、平賀源内、右京之介、稲葉小僧たちが繰り広げる痛快無比の傑作時代劇。#13401990/11/16
Masaki Maruyama
1
放映当時、小学4,5年生だったと思う。夢中で見ていた割に覚えているのは断片的な場面だけ。稲葉小僧が洪水か何かに流されてお陀仏かと思いきやしぶとく生き残ったのは、こういう話だったのかと得心。「目標、64店!」と化粧品問屋のトップが叫び、番頭たちが唱和する場面が何のパロディーなのかわかるのは、われら60歳手前の年代までだろう。2020/08/08
バルトークの影
1
NHKがホームチャンネルの私だが、中学生の頃はあまり好きではなかった。しかし、このドラマは別。天才平賀源内と剣客小野右京之介のコンビが異常に面白く、放送の翌日は、毎回、クラスメイトと番組談義に花を咲かせた。いまでも再放送を望む声が多いようだが、番組記録がNHKに存在していない。そんな私に、当時の雰囲気を思い出させてくれるこのシナリオを読むのは楽しい。超傑作なので、リメイクでいいから、もう一度放送してくれないかなと思うのは私だけではあるまい。ただ、主役の山口崇や林隆三に見合う人がいないかな。2015/06/03