内容説明
邪馬台国はなぜ歴史の闇に葬られたのか。その悲劇は、天皇家の成立と無縁ではなかった。天皇家はいつ、誰によって、なんのためにつくられたのか。答えは『日本書紀』だけが知っていた。正史が封印した歴史を掘り起こし、天皇家の不可侵性の起源と王権成立の謎に迫る意欲作。ついに明かされる!天皇家の誕生の秘密。
目次
序章 不思議な王権(不思議な王権;「天皇システム」はいつ生まれたのか ほか)
第1章 ヤマト建国の裏側(考古学が明かす日本の歴史のはじまり;「ヤマト建国」のいきさつを熟知していた『日本書紀』 ほか)
第2章 祟る邪馬台国の女王(問い直される「二つのヤマト」;江戸時代にすでにあった「邪馬台国偽僭説」 ほか)
第3章 神=鬼の名を冠した天皇(「神=鬼」の名を冠せられた天皇;神武東征の功労者・ウマシマチが石見に逼塞したワケ ほか)
終章 天皇家のカラクリ(永続する天皇家の根源にある祟る女神;鏡に映したかのような奇妙な話 ほか)
著者等紹介
梅沢恵美子[ウメザワエミコ]
東京都生まれ。『万葉集』や古伝書などから独自の古代史像を構築
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感想・レビュー
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Kazuhisa Hirao
2
目次を眺めてトンデモ本の類かと思いましたが、結構真面目に論じている。ただ、天皇家はなぜ続いたのかという設問に対する答えにはまったくなっていないようには思う。 部分部分ではそういう解釈もできそうだとは思うものの全体を眺めるとそうも立ち位置がハッキリしない本である。2012/03/01
宮城
1
面白かった。 関裕二氏の蘇我氏の本も読まねば。 持統天皇のことを、もっと詳しく学びたくなった。2019/12/22
ぺぱごじら
0
「なぜ続いたのか」は明快に解明されていないけれど、天皇は「祭祀王」であり、政治にはなじまないものであることはよく理解できました。「祭祀王」であれば、なぜ続くことができるのか、という「畏れ」に対する日本人の意識をもう少し掘り下げないと、「なぜ」の解決には繋がらないのでは、と感じました。古代日本に興味がある人、「意識をしないから無神論者であり、無宗教である」と考えている方には一読を薦めたくなる本ですね(そういう方はそもそも本をあまり読まないのですけど(笑))