内容説明
一度入れば生きては出られない政治犯強制収容所。なかでも地獄中の地獄といわれる「完全統制区域」で見たものは、「無慈悲たれ」の教示のもと、生き埋め、銃殺、輪姦、殴打、拷問と罪なき人々が粛清される現実であった―北朝鮮の実態と悪業を今ここに初めて明かす！警備隊員、慙愧の告白手記。
目次
序章 完全統制区域１１号
１章 無慈悲たれ
２章 人の脂をしぼる谷
３章 風、風、風の歌声
４章 秘密処刑場
５章 悲しき姉弟相姦
終章 自由への渡河
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
18
前回政治犯として収容所に居た人が書いた本を読みました。今回は警備隊員が脱北して書いた本です。この世に地獄があるとするなら北朝鮮のようなところでしょう。収容所は軍管轄の警備隊とKGBのような保衛員で管理しています。保衛員は囚人の教育や監視を行っています。保衛員は鬼畜のようで、彼らは綺麗な女性囚人を情婦や性玩具にして欲求を満たし妊娠したり魅力が劣れば口封じに殺す。警備隊も訓練と称し囚人を山に行かせ標的にして殺す。周辺の山は人骨や腐敗した遺体に満ち異臭を放つ。まだ北朝鮮の本がありますが暫く控えたいと思います。2017/11/07
ふじこ
14
以前、耀徳の革命化区域の政治犯収容所入り、後、脱北した2人の証言の描かれた本を読んだが、こちらは完全統制区域の警備官として勤めた人物か書いた真実。完全統制区域とは無期懲役に近いが革命化区域に比べ収容者への拷問や虐待、労働も絶望に満ちている。保安員、警備官の気分で虐待がされる。女性は悍ましい程の性的虐待を受け怒りを禁じ得ない蛮行が行われている。 帰国した在日朝鮮人の日本人の妻も数多く収容されていたという。余りの惨さに絶句する本ではあるが、この本は全世界の人々が知るべき北朝鮮の実態が描かれている。 2019/08/12
かなえる
7
もともと大学時代ではまったく読書しなかったです。大学出て就職してから読書しようと踏ん張ったがいい本を見つけるのが大変でした。どういう経由で北朝鮮にまつわる本に手を取ったのかは覚えていません。一冊読んだら全部読みたくなって英語で書いてある本ほとんど読みました。ある日、また英語に翻訳されてない北朝鮮に関する本の存在に気づきました。それで、この本を読むことになってあらためて日本語を覚えてよかったと思いました。何人も命をかけて脱北してその国の実態や人権に対する犯罪について書いたのは奇跡です。2017/09/30
GAKU
3
悲惨な内容でした。2014/05/18
りぃ
1
「カダフィ死亡について話した医大生が収容所送りに」というニュースを読んで、じゃあ収容所ってどんなところなの？と思い購入。。。読み終わって後味の悪い本は久々。人の命が鴻毛より軽いっていうのはまさにこのことじゃないだろうか。執筆当時よりそれなりに経過して状況がどうなっているのかわからないけど、今後北朝鮮に関するニュースに触れるたびにこの本のことはずっと頭をよぎる気がする。2011/11/09
