内容説明
浅草田原町の庫裏で寺子屋を手伝う浪人・鬼怒玄三郎。彼には、法で裁けぬ悪党を密かに始末する裏の顔があった。女を食い物にする“玉ころがし”と呼ばれる男を誅殺したあと、奉行所同心の手下となり悪事を重ねる金十一家の者たちを次々と葬り去っていく。この玄三郎の手腕に、豪商・紀伊国屋文左衛門が用心棒を乞うてきた。交誼を深める二人だったが、玄三郎には思惑があった。文左衛門と張り合う成り上がり者で、姉を悶死させた材木商の奈良屋茂左衛門を狙っていたのだ。
著者等紹介
本庄慧一郎[ホンジョウケイイチロウ]
本名・望田市郎。東京に生まれる。劇作家・小沢不二夫氏、三好十郎氏に師事。演劇(戯曲・演出)を学ぶ。その後、民間放送で番組の脚本や構成台本を執筆。また、コピーライターとしては日本民間放送連盟賞をはじめ、海外の賞など150以上を受賞する。1991年、小説家に転身。各小説誌に精力的に作品を発表
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