内容説明
武州川越に近い村の惣名主・金左衛門は、若くて学があり、万事に有能な男だったが、過去に七回妻を迎え、すべて失敗していた。原因は彼の持物が立派過ぎ、女が逃げてしまったのだ。結婚を諦めかけた彼だったが、ある日、歌川国芳の書で相模女の淫乱ぶりを知った。「これならいけそうじゃ」と膝を叩いた金左衛門は、自分の特大の持物に合う女を求めて勇躍相州へ旅立ったが…。閨房の秘事をユーモラスに描いた「巨根の禍福」など江戸の粋を伝える艶笑譚十話を収録した傑作集。
著者等紹介
八剣浩太郎[ヤツルギコウタロウ]
1926年、北海道生まれ。明治大学卒。教師、新聞記者を経て、執筆活動に入る。独自の歴史観を盛り込んだ歴史小説、時代小説を発表している。近々、ライフワークとして長年にわたって取り組んでいる偽造日本史の研究を発表する予定がある
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