内容説明
放課後の図書館は湿った匂いがした。西の空に浮かんだ雲の切れ目から顔をのぞかせている、二日ぶりの太陽にちらっと目をやった後、里桜はおずおずと視線をグラウンドに向けた。突然、背後から声がして振り返ると、少し息を弾ませた舞美が立っていた。そして、私は突然、ずっと淡い憧れを抱いていた龍先輩が、秋からロスに留学することを聞かされた。嘘…。
著者等紹介
井上香織[イノウエカオリ]
青山学院大学文学部教育学科卒。学生時代にはシンガーソングライターとして、キティレコードよりアルバム『めざめの刻に』他を発表。また、ラジオのDJ、作詞、詩集『サイレント・レター』(サンリオ)も。大学卒業後は都内の私立高校で英語教師として勤務するかたわら著作活動を続ける。現在は教職を辞し、携帯及びPC配信の電子書籍にフィールドを広げ、『恋愛相談室』、『そして、僕は翔んだ。―モモイロペリカン・ジャスティの冒険物語』他を執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
21
若いころのトキメキが思い出されるような作品。最近ではこんな初々しい感じの恋愛なんて少なくなっている時代なのかもしれない。だからこそ・・・その世代の子にも読んでもらえるといいかも。だっさ~~~~い恋もいつか思い出に変わると素敵な恋だったと思えるように。2011/05/10
にゃんこ
5
[貸し本] かなりネガティブな主人公:里桜。 ちょっとした、本当に些細な事も気になり、相手の気持ちまで先走って考え過ぎてしまったり、すぐに泣きだしたり。 見ててイライラする部分も多々あるけれど… ふと気付いたんだけど、私も似たような感じだなーと(^_^;) 最後の章で、大学生になった里桜が多少は自分の意見を言えるようになってたのが、少しは救いかな?2013/05/05
さあたん
2
初恋、遠距離…なんだか、ただただ切ない。
燕燕
2
こんな遠距離恋愛見たことない。 はじめは主人公に嫌気がさしていたが、 読めば読むほど二人の良さが見えてきて、 すごく感情移入できた。 後半が早く読みたいのと同時に、 この遠距離恋愛がどんな結末まで辿り着くのかとても気になる。2021/06/08
non
2
感想は下巻にて。2019/01/18