内容説明
誕生時の酸欠と鉗子による脳障害が、障害者としての刻印を息子に押した。その不運は、本人だけでなく、父親である主人公にも大きな辛苦をもたらす。社会から引き離され、抑圧され、拒絶された人生。しかしそれでも、息子は日々、自分の“生”を創り出し、宿命から生まれ変わる試練に立ち向かってゆく。そして父親の心をも、苦悩から救い出し、生まれ変わらせる。その、天使のように無垢で澄明な、あふれ出る生命力によって。障害者の息子を持った自身の経験と想いを、長い沈黙の末、ついに小説に託して綴った、現代イタリアを代表する作家の最高傑作。
著者等紹介
ポンティッジャ,ジュゼッペ[ポンティッジャ,ジュゼッペ][Pontiggia,Giuseppe]
1934年、北イタリアのロンバルディア州コモに生まれる。1959年『La morte in banca』でデビュー以来、1989年に『La grande sera』がイタリア文学界最高の賞、ストレーガ賞を受賞したのを始めとして、その作品は数々の文学賞に輝く。現代イタリアを代表する作家
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