内容説明
モハメド・アリは、おそらく20世紀最高のスポーツ選手であり、そして間違いなく、最も有名なアメリカ人のひとりである。彼の権威に反抗する勇気と、苦難をものともしないしなやかな精神が、アリの名を人々に記憶させた。アリとは、チャンピオンであって負け犬、ならず者にして王子、プレイボーイにして敬虔なイスラムの徒、偉大なアメリカ精神の体現者であると同時に、自らの良心に従ってそれに反抗し、罰された人間だった。そしていまや、かつて頂点をきわめたスポーツマンだった彼は、パーキンソン症候群による肉体の衰弱と戦っている。掲載された作品はすべて、生きながら伝説となった最高のボクサーについて、当代きっての著者が書き残したものである。アリの一挙手一投足に反応した世界の驚くべき物語が集められている。本書は1960年代から90年代を4章に分けて構成され、各章はそれぞれの時代において語られたアリ自身の言葉から始まる。現代アメリカで最も論争の的となったカリスマの真実の姿がここに解き明かされる。
目次
1960年代(詩人と教師;恐るべきへらず口 ほか)
1970年代(60年代そのものだったアリ;モハメド・アリへの『ブラック・スカラー』誌のインタビュー ほか)
1980年代(モハメド・アリへの『スポーツ』誌のインタビュー;世界でいちばん有名な男 ほか)
1990年代(もっとも残酷なスポーツ;キューバ訪問 ほか)
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- 坂道を越えた国 文春文庫