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出版社内容情報
「タイム」氏の記者たちの共同執筆による本で、カジンスキー容疑者逮捕後、わずか一ヶ月で発行された。共同執筆本であるだけに、不満な点は多々あるが、日本での報道量があまりに少なかったこの事件の概要をとりあえず知っておくためには手っとり早い本だ.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』119頁、より)
内容説明
近年の犯罪史上で最大のお尋ね者と呼ばれたユナボマー。彼は十八年間ものあいだ政府機関から巧みに逃れ、対FBIと最長の捕りもの劇を操り広げた。一九九六年の四月三日、FBIの捜査官たちは、モンタナ州にあるベニヤ板の小屋を取り囲んだ。そして世間は初めて、ユナボマーと呼ばれた犯人の容疑者、テオドア・カジンスキーの素顔を見ることになった。本書は、『タイム』誌のジャーナリスト・チームが、彼の悲惨な過去、狩る者と狩られる者のゲーム、そしてFBIがどのようにして彼を逮捕することになったかの経過を綴り、犯罪史上でもっとも狡猾な連続殺人犯と信じられている男の全貌を明らかにしたものである。
目次
1 世捨て人の隠れ家
2 天才少年の屈折
3 仮採用の数学助教授
4 山男はいつも自由である
5 見えてきたパターン
6 隠遁生活が精神構造に与える影響
7 口を開いた爆弾魔
8 血と名誉
9 回答と疑問
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
17
セオドア・ジョン・カジンスキーによる爆弾事件。数学の神童であった彼が現代社会を憎み蔑みパラノイアを拗らせてやらかしてしまうまでの大まかな流れと、FBIによる捜査の様子について。いついかなる時代にも頭がおかしくなる奴は一定数は存在していて、それにより他者に危害を加えてしまう事件がなくなることはない。社会や時代のせいにして目を背けるのではなく、いつだって現実的に存在する群れに馴染めないホモサピエンスの個体がやらかしてしまうまで妄想や不満を募らせる前に何とかする手段を考えないとな。キチ◯イのために死にたくない。2024/01/14
つちっち
17
子供の頃この人のニュースがある度、アホ丸出しの私は連続爆弾魔!おおっカッコいい!!とか思っちゃってて、逮捕された時もこれで終わりか〜なんてどうしょうもない事を思ってた。ユナボマーことテオドア・ジョン・ガジンスキーによる連続爆弾テロ事件のルポ。ダークサイドミステリーでやってたので読んでみた。幸か不幸か頭良すぎたのか?とにかく孤独な人だなぁ。2021/06/21
ドン•マルロー
14
文明の発達を憎み、大自然の中から孤独に爆弾を送り続けた男—ユナボマー。彼の行為を肯定することは当然できないが、反体制的を飛び越えて、もはや反文明的といっても過言ではない彼の思想に共感を覚える現代人は、実は少なくないのではないだろうか。思想の全部でなくても、文章のいくつかの部分に病的な社会を厳しく痛罵する透徹した目を感じることができる。そう、それが爆弾ではなく、目であり、口であったならば…と思うのだが。しかし彼がユナボマーでなかったならば、彼の思想や文章が世に出ることはなかったにちがいない。皮肉な話である。2021/01/22
nobody
12
少年時のIQ167は出現率25万分の1でホーキングを上回る。男の名はカジンスキー。本書には大学時代CIAの前身機関でスパイ養成を行っていたマリー教授により行動心理実験の被験者にされ心理的拷問を受けたという重大なエピソードがすっぽり抜けている。これは意図的と思われる。アメリカ科学界を担うべき彼がなぜ被験者に選ばれたのか。このような本が11日で出版されること自体が彼の糾弾したテクノロジー・システムそのものを象徴している。本文では筆者が声明文をろくに読みもせず貶しているが(なにしろ新書1冊分ある)読む価値あり。2019/06/29
takao
2
ふむ2022/09/02