内容説明
本書で書きたかったのは、交通の視点から見たマルチメディア論である。マルチメディアには実体がないとの批判がある。しかし、交通には、事故・渋帯・環境といった解決を迫られている重大な課題があり、車と道の双方向通信というマルチメディアは、その解決となりばかりか、二十一世紀の社会・経済・生活に計り知れない影響を与えることができる。しかも、欧米がすさまじい勢いで技術開発に取り組んでいるのみならず、既に基本特許と国際標準化をめぐる戦いも始まっているのである。課題、技術、社会変革、競争、国際標準化―交通の分野では、マルチメディアに関するすべてのテーマが具体的な形をしている。本書はマルチメディア批判へのひとつの答えである。
目次
プロローグ 西暦2001年の「落日」
1 アメリカを変貌させる史上最大のプロジェクト
2 知られざる欧州の実力
3 日本の次世代道路交通システム
4 情報ハイウェイと道のマルチメディア化
5 ついに火蓋を切る国際標準化戦争
6 二十一世紀の日本が歩むべき新たなる道