内容説明
第一次世界大戦―帝国陸海軍のエリート将校が初めて体験した近代戦。それからおよそ20年後の…昭和15年(1940)6月4日。日本はイギリス、フランス、およびオランダ亡命政権に国交断絶を通達する。軍需省初代次官・西条英俊の目には、英国、その背後にいる米国との戦いはもはや避けられない運命のようなもの、と映っていた。「自重したところで、英米が日本を標的とするのはまぎれもない事実であり、戦わずに膝を屈すれば、アジアは未来永劫、アングロサクソンの風下に立ち続けましょう。進むも地獄、退くも地獄。それが今のアジアです」開戦を渋って首をなかなか縦に振らない山本五十六連合艦隊司令長官を説得したのは、まだ雪もちらつく季節だった。西条は軽く唇を噛んだ。日本は、再び世界大戦のうねりに巻き込まれた。
著者等紹介
林信吾[ハヤシシンゴ]
ロンドンで『欧州ジャーナル』を創刊、初代編集長
清谷信一[キヨタニシンイチ]
軍事ジャーナリスト。精力的に海外取材をこなす。現在『アサヒ芸能』(徳間書店)で自衛隊批判の連載を展開
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