内容説明
一九一四(大正三)年七月、オーストリアとセルビアにて戦争が勃発。ほどなく戦火は、ヨーロッパ全土へ広がり、世界大戦へと拡大した。三年後、日本も積極的な参戦をすべく歩兵師団をフランスへ派遣し、また巡洋戦艦「金剛」を中心とする援英艦隊を送り込む。今回の参戦には、帝国陸海軍のエリート将校たちに近代戦を実地体験させ、新時代の指導者をつくるという日本軍首脳部の思惑があった。翌一八年三月、ロシア革命後に誕生したソヴィエト政府と停戦を実現したドイツ軍が攻勢に出る。崩壊した英軍のあとを受けて日本陸軍はよく戦ったが、ついに壊滅的な打撃を被り、戦線離脱を余儀なくされた。一方、海軍もドイツ艦隊を蹴散らすが、「金剛」をUボートに沈められる。若きエリートたちは、近代戦の恐ろしさをまざまざと知った。
著者等紹介
林信吾[ハヤシシンゴ]
ロンドンで『欧州ジャーナル』を創刊、初代編集長、『英国ありのまま』(中公文庫)。『自主規制せず』(小社刊)など著作多数。最近刊は『英国議会政治に学べ』(新潮社)
清谷信一[キヨタニシンイチ]
軍事ジャーナリスト。精力的に海外取材をこなす。現在『アサヒ芸能』(徳間書店)で自衛隊批判の連載を展開。『不思議の国の自衛隊』(小社刊)など著作多数
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