内容説明
私たちを「買った」のは誰か。「なぜ買うのか」ではなく社会環境を分析する。
目次
第1章 買春の歴史
第2章 メディアと買春
第3章 「月刊買春」の世界
第4章 「婚活」としてのJKビジネス
第5章 曖昧さの引力
第6章 児童買春による不幸を減らすための提言
著者等紹介
坂爪真吾[サカツメシンゴ]
1981年新潟市生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。重度身体障害者に対する射精介助サービス、風俗店の待機部屋での無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で、現代の性問題の解決に取り組んでいる。2014年社会貢献者表彰、2015年新潟人間力大賞グランプリ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
59
性風俗や売春を扱った書籍は売る側、女性の立場から書かれているものが殆どだが、こちらは買う側、買春の立場にある男性達と「JKリフレ」の実態に迫った1冊。今の世の中、売る側も買う側も、昔のように一括りのタイプには当て嵌められないという事が良く分かった。また「JKリフレ」という言葉、ビジネスも初めて知りました。同性の私から見ても、「JKリフレ」に通っている男達には一歩引くな~。⇒2017/04/09
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
10
売るほうより買うほうが悪い、ということで売春から買春が定着したわけですが、買う男に売るシステムを作ってるのは男だろ、だったらやっぱり売るほうも悪い。風俗がセーフティネットとして機能していること、コミュ障の男性のリハビリの場であること、それらはどれも既知のことだし納得するのだけど、JKリフレのくだりがどうにも理解できなかった。本書の意図として買ってる男性にスポットをあてるという点ではリフレに散財する男性の声ばかりを集めてるのはしゃーないとして、他風俗とJKリフレを隔てるものは、これはもう売る方(業者、J→2017/05/18
訪問者
3
現在の性風俗関係の著作の中で唯一といっていい、そこで働く人たちの抱える様々な問題に対して現実的な解決を模索し実行している坂爪慎吾氏の一冊。本書も色々と示唆に溢れた良書。2021/05/07
かになお
3
買うほうも売るほうもどっちもどっちな気がした。売るほうが積極的でない場合は買うほうは非難されて当然かなと思った。言葉は悪いが「児童買春は交通事故のようなもの」という表現は言い得て妙(JKリフレの場合)2017/06/03
kenitirokikuti
3
女衒(売春業者)とセックスワーカーズをめぐる問題って整理がむつかしいけど、隣接する問題を場当たり的に混ぜたのが原因だろう▲刑法は13才未満との性交を禁止だが、1959年以降に18才未満との淫行は処罰する条例が定められてゆくが、そもそも売春業は戦後に禁止されている。昭和半ばから東南アジアへの買春ツアーが問題視され慰安婦問題と発展する。買春は犯罪であるという短絡した主張が現れるが、 プライベートの可視化が進むと、規範的な夫婦間の性行為以外のセックスなどは飲酒や自慰みたいなありふれた行為だと明らかになる。2017/02/18