内容説明
日本の一部にはなぜ、皇位継承は男系男子のみと主張する者がいるのか?「125代の天皇はすべて男系で継承されている」「女性天皇は中継ぎにすぎない」彼らは男系こそが日本の伝統のように偽装する。しかし、かつて、日本には母から娘へ皇位が継承された実例があり、男帝より有能な女帝もいたのだ。女性天皇、皇位継承の真実とは何か?ベストセラー『天皇論』の著者が8人10代の女性天皇の時代から、女帝・女系継承の正当性を示す!
目次
第1章 女性天皇は日本の伝統に適う
第2章 原初日本の姿は、男女双方的社会―推古天皇
第3章 男帝にも「中継ぎ」の天皇はいる―皇極天皇
第4章 「女はか弱い」は男の幻想―斉明天皇
第5章 わが国の根幹は女帝が確立した―持統天皇
第6章 皇位の継承に「男系」「女系」の縛りはない―元明天皇
第7章 万世一系の「男系」継承はウソ―元正天皇
第8章 「直系」と「傍系」には圧倒的な差がある―孝謙天皇
第9章 「君」と「臣」は完全に区別されている―称徳天皇
第10章 古代女帝の終焉と、近世の女帝―明正天皇、後桜町天皇
第11章 「女性天皇の時代」の復活が日本を救う!
著者等紹介
小林よしのり[コバヤシヨシノリ]
1953年、福岡県生まれ。1976年、大学在学中にデビューし、『東大一直線』、『おぼっちゃまくん』など数々のヒット作を生み出す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
80
歴代の女性天皇の御代の時代の話や女系継承の話など男系男子で継承されていた事実はないことに驚いた。2013/09/05
Kentaro
26
皇室は現在1500年来の存続の危機に直面している。過去、男系で継承されたのは、側室が存在したからである。律令法では9人の側室が規定され、その中で男系の男子が生まれることを願いつつ、綱渡りで継承してきた。もともと、歴史を遡ると女性天皇はタブーではないし、女性の能力を認め、その力を発揮させてきたのが日本文化であり、男尊女卑は儒教思想である。 女性宮家を創設し、女帝、女系継承を認めることが天皇陛下の御意志であることは疑い無い。これが結論である。という主張だった。2019/05/26
エイドリアン
8
読みやすく勉強になりました。現代の日本で女性天皇が即位出来ないことの方が間違っているように感じました。古代の女性天皇は誰も強い方たちばかりですね!2013/08/24
naoki_ach
6
古代の複雑な血縁関係は若干飛ばし読みになったが、面白かった。文章でもユーモア混じえた表現は流石だ。日本の「国のかたち」が出来たのは女性天皇の時代だったというのは重要な論点だと思う。安倍政権が3年はつづくであろう現状では本書タイトル「女性天皇の時代」は遠いなと思ってしまうのが悲しい。2013/08/19
手ぬぐいゲッター
5
今まで女性天皇が活躍してきたこと、また女系天皇もいたことがよく分りました。 長い歴史の間、男女問わず天皇になれる伝統があったのに明治になってから、男しか天皇になれない、と決めたのはおかしいような気がします。 その理由が井上毅が提出した謹具意見の「日本は男尊女卑の国なんだから、女帝が認められない理由なんて、わざわざ言うまでもない」という一文なんて信じられない思いです。 今後は女性も天皇になれるようになったら良いのになあ、と思います。2013/10/30