ベスト新書<br> ウルトラマンがいた時代

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ウルトラマンがいた時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584124031
  • NDC分類 778.8
  • Cコード C0295

内容説明

高度経済成長が一息つき、七〇年安保闘争は挫折、公害問題が浮上し、オイルショックもあった七〇年代初頭。三島由紀夫や川端康成が自殺し、日本が自信を失っていたあの時代、特徴・怪獣ものの世界にも大きな転機が訪れていた。全ウルトラ・シリーズの中で、『ウルトラセブン』の完成度の高さは論を俟たない。しかし、『帰ってきたウルトラマン』こそ、あの「暗い」時代の雰囲気を体現していた象徴的作品なのだ。その象徴性を決して「論」じることなく、あの時代に沈潜しながら、自分史の一部として語ってみる方法を本書は試みた。

目次

序章 ウルトラマンがいた時代
第1章 怪獣前史
第2章 一九七〇年の暗さ
第3章 怪獣使いと少年
第4章 一九七二年
終章 ウルトラマン、再び

著者等紹介

小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年、茨城県生まれ、埼玉県育ち。比較文学者、作家。東京大学英文科卒、同大学院比較文化専攻博士課程修了。学術博士。主な著書に、『聖母のいない国』(青土社、サントリー学芸賞受賞、その後河出文庫)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月讀命

63
小谷野敦さんは1962年生まれだから私と同い年だ。『ウルトラマンがいた時代』という題名の本であるが、人生で一番社会の影響を吸収し易い小学校時代の思い出を回想している本である。著者が思い出した順に、てんこ盛りに積んだという印象は否めないが・・。ウルトラマン、ウルトラセブンは再放送を、帰ってきたウルトラマンは,金曜夜7時に放送されていてよく見たもので懐かしささえ感じた。著者は、他に『日本人のための世界史入門(新潮新書)等も書いており、読ませていただいたが、こんな内容の本を書いても印税が入るとは羨ましい限りだ。2015/02/25

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

29
新年最初に読んだのは小谷野敦のこの本。巨大ヒーローものの特撮を中心とした、当時の子供向けドラマの本。分析ではなく長い思い出話といった感じ。私は小谷野ファンなので楽しく読んだ。私は小谷野敦より一回り程年下だが、この本で扱った番組の半分以上は再放送で見たので懐かしく、自分の忘れかけていた記憶を思い出したりした。サブカルを過大視したり深読みしない所に大いに共感。久しぶりに怪獣図鑑を眺めたくなった。2014/01/05

ホークス

24
特撮巨大怪獣・ヒーロー物を偏愛する著者とは1才違いなので、近い体験をしている。特撮愛の遍歴に家庭の事情や幼少期の屈折を織り交ぜてあり、爆笑したりしんみりしたり。作品はあくまで自分の感性で評価し、世間の動向など蹴飛ばす所は爽快。又、1960〜70年代の下品さや暗さが、良い悪いではなく「子供の見た現実」として再現されていて素晴らしい。「帰ってきたウルトラマン」の話にシャイな著者の信念を見た。被差別者側に身を置いて差別者の糾弾に充足するのではなく、人間の残酷さを知りながらも人間の意志の力を信じることだ。2016/02/25

showgunn

17
あとがきに「いわゆる『雑談』めいたものがしたい」とある通り、ウルトラマン他特撮ものについて語りつつその時代の出来事や個人的なエピソード。ダラダラと語る本で特撮好きな人は相当物足りないだろうけど小谷野敦のファンである自分は楽しく読みました。 特撮やアニメも時代と密接に関わってて、自分は80年生まれだけど確かに子供の頃は70年代を引きずったような暗さを感じることがあったよな、と色々思い出したりするのが楽しかった。ところどころに書かなくてもいいようなとても些細な母親とのエピソードが出てくるのが泣けました。。2016/09/01

midnightbluesky

15
最近の若手論客が仮面ライダーで世の中を論じていることに違和感を感じた小谷野センセーが、特撮オタクであること小谷野少年に戻り純粋にウルトラマンと周辺の特撮を書いている。しかし全くもってフツーの少年時代で、どこでネガティブな学者になってしまったのかは不明であった。2013/05/20

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