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正義という名の凶器

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584124024
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0236

内容説明

「あなたのやったことは間違っている。私が正しいのだから」という考えの元、徹底的に悪の糾弾を行い懲らしめ、相手が許しを乞いても尚、激しく攻撃を続ける。時にして、相手の命を奪うこともある。いじめ、体罰、ストーカー、地域紛争、戦争。社会の揉め事の起因が、この「ひとりよがりの正義感」にあることが多い。人はなぜ、正義を振りかざし、相手を叩くと気持ちよくなるのだろう?そして、なぜターゲットを変え、何度もこの行為を繰り返すのだろう?「正義の仮面」の下に隠された現代人のかかえる数々のトラウマ、「正義を振りかざしやすくなった社会」という2つの側面から、今もっとも怖ろしい「正義依存という病」の本質に迫る。

目次

第1章 「正義」の名のもとに悪をやっつける人(激化するネット中傷;塩谷瞬の二股騒動 ほか)
第2章 ネットからの快楽には依存性がある(インターネットの罠;ネット上に氾濫する情報 ほか)
第3章 なぜ他人の「悪」をたたくとスッとするのか?(自分には「悪」がないかのようなふりをしようとする;他人の嘘を激しく責める嘘つき ほか)
第4章 「正義」の仮面に隠された怒りと羨望(怒りとは何か?;怒りを出せないからこそ、「正義」の仮面をかぶる ほか)
第5章 「正義」依存は伝染する(「正義」とは何か?;「在特会」の被害者意識 ほか)

著者等紹介

片田珠美[カタダタマミ]
1961年広島県生まれ。精神科医。京都大学非常勤講師。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第八大学でラカン派の精神分析を学ぶ。臨床経験にもとづき、心の病の構造を分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ともとも

34
いろいろな事例を挙げながらも、いきすぎた正義といった人間の心理、言動から、恐ろしさと弱さ、哀れさ、痛々しさなどといった影の部分を垣間見たかのような、そしてそれが、世の中や人の悲しみや負の連鎖の原因?なのかもしれないなんてことを、しみじみ思わされてしまいました。 果たして、自分はこんな人間になっていないだろうか?と自問自答を繰り広げ、 過去に振り返りながらも、心で今後気をつけなければと、ただただ硬く誓うばかり、 いろいろと考えさせられてしまい、自分の戒めにもなった、そんな1冊で良かったです。2016/11/26

kinkin

32
自称「精神医学界の沢尻エリカ」片田珠美の本。私は頭が悪いせいか、彼女が一体何を言いたいのかよく分からなかった。さすが沢尻エリカだと思った。2014/09/10

ばりぼー

30
「正義」の仮面をかぶることで、自分は鬱憤ばらしをしたいわけではなく、ただ悪者を懲らしめているだけだと思い込める。これは「投影」というメカニズムで、自分にやましいところがある人ほど、同質のものを他に見いだすと激しく攻撃する。二股交際や不倫騒動のタレントを徹底的に叩くのは、自分自身の性欲や浮気願望を否認し、他人を攻撃することでそんないまわしいものが自分にはないかのようなふりをすることができるからだ。「投影」は、似た者、近親憎悪において特に強くなる。嘘つきは他人の嘘にも敏感で激しく非難するのがその典型である。2018/12/06

KAKAPO

29
凶器になりかねない正義とは、自己に対して客観的ではない特定の集団、あるいは個人的な価値観に支えられた行動原則だと思います。誤解を恐れずに言えば、何らかの原理主義とも考えられます。凶器になりかねない正義とは、そのような価値観を持つ特定の集団や個人によって行使されます。インターネット社会においては、そのような行為が仮面を被った状態で行われ、そこに"はやしたてる観衆"や"傍観者"も加わって拍車がかかりやすくなります。"観衆"の調査能力は驚くべきもので、加害者のプライベートは暴かれ、家族も連帯責任を負わされます。2019/01/01

ふろんた

24
対象を悪に仕立て上げて正義を振りかざす。自己正当化にもなるので、自身に非はない。その攻撃的な活動は、自己の理想と現実のギャップが生み出したやましい部分が他者に投影されていると説く。内容は理解できるのだが、全体的な考証が甘く、ブログを読んでいるかのようだった。2014/09/03

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