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「亡国農政」の終焉

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  • サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584122570
  • NDC分類 611.1
  • Cコード C0261

内容説明

2009年9月、鳩山民主党政権が誕生した。新政権は旧来のバラマキ政治を批判し、「脱官僚」を旗印に掲げている。かつて「自民党農林族」と呼ばれた政治家たちは、多くがその地位を失った。JA農協、農林水産省、族議員―。この「農政トライアングル」は、民主党政権の農業政策により、大きく形を変えていく。だが、三者の関係の変化がすぐさま、日本農業の復活を意味するわけではない。自民党農林族がいたように、「民主党農林族」も存在するからだ。本当の農業復活は、民主党政権後にスタートする!本書では、元農林キャリア官僚である著者が、農林水産省の実態を浮き彫りにしつつ、族議員、農協との関係に切り込む。

目次

第1章 農政の大罪
第2章 私が農林水産省に入った理由
第3章 私が農林水産省を辞めた理由
第4章 古き良き農政―柳田國男と二つの農政課題
第5章 「農政トライアングル」の成立と農林水産省の転落
第6章 ウルグァイ・ラウンドと日米コメ交渉
第7章 消されたWTO交渉マル秘戦略―松岡元農林水産大臣の死の謎
第8章 石破茂前農林水産大臣の挑戦
第9章 民主党政権は「農政トライアングル」を破壊する!
第10章 民主党政権後に来る「農政大改革」

著者等紹介

山下一仁[ヤマシタカズヒト]
1955年、岡山県笠岡市生まれ。1977年、東京大学法学部卒業、農林省入省。1982年、ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年、東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。2008年、農林水産省退職。同年、経済産業研究所・東京財団上席研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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さきん

28
元農水省官僚が農政の在り方を説く。中山間地への直接支払い制度は著者が大きく取り組んだ政策で良い試みだと思った。生産性を上げる=兼業農家の引退、中農の推進を考えている。自由貿易に夢を見すぎている印象は受けた。中山間地はさすがに少ない人数で水田の多面的機能を維持するのは不可能に近いと思うが、そこは多面的機能重視、耕作者重視の補助金で保護するのか。米価価格維持の恩恵を主業農家が受けていないことが大きな問題。関税はコメに関しては200%は高くて、100%まで下げても大丈夫そうだ。2018/11/18

jiangkou

8
日本の農政のゆがみを語ってくれるのかと思いきや元農林官僚が自分で見聞きした農政の課題を書いただけの自伝的な本だった。それでも農協が米価販売手数料のために米価下げに反対し、一方兼業農家の農地放棄宅地転化に積極介入し出てきた金を金融市場で運用していること、兼業農家も農協支援に回るためつぶさない、専業農家への農地集約もしないことなどわかったことは多かった。特に仮説や数字を根拠とした説明、もっと巨視的な世界市場も見据えた考察などもなく、書き方は稚拙だがこういった視点から日本農政を書いた本を読みたい。2019/01/05

kumonosuke

2
農林水産省の職員はそれ程本を読まない、勉強しないのだろうか? 農政関連では自殺者が相次いでいる。物凄い利権がらみで、制度疲労ともいうものを起こしているのかも知れない。しかし農業問題は食の安全保障確保であり、英知を結集して将来に禍根を残さないようにしなければならない。2014/05/08

nagoyan

1
優。農水省は役所としての志が感じられないという思いはしていたが、納得。昔から(官界で)、「食糧」(庁のこと)は問題視(あるいは白眼視)されていたはず。2009/11/12

Black008

0
読んだ記憶はある。崩壊までの過程かなぁ。

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