ベスト新書<br> 悪いのは私じゃない症候群

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悪いのは私じゃない症候群

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  • サイズ 新書判/ページ数 191p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584122396
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0236

内容説明

新型うつ、モンスターペアレントにモンスターペイシェント、クレーマー、アダルト・チルドレン、児童虐待、「前世が悪い」のスピリチュアル・ブーム…日本人はいつから「悪いのは私じゃない、あなたが全部、悪いんです!私は犠牲者、被害者です!」と言いつのるようになったのか。「それは自己責任だ」と他人から責められないためには、自分のほうから他人を攻撃する“先制攻撃”しかない。この先制攻撃合戦の悪循環の中で、この国は一体どうなってしまうのだろう。今、インフルエンザに匹敵する伝染力の国民病―「悪いのは私じゃない症候群」は怖ーわいぞ。

目次

プロローグ―他罰の時代がやって来た!
第1章 学校が悪い!
第2章 医者が悪い!
第3章 職場が悪い!
第4章 家族の中の他罰主義
第5章 「前世が悪い」?のスピリチュアル・ブーム
第6章 科学の世界も「他罰のススメ」
第7章 「悪いのは私だ」の歴史
第8章 ネットという他罰メディア
第9章 他罰は自己責任論の裏返し
エピローグ―悪いのは私じゃない症候群への処方箋

著者等紹介

香山リカ[カヤマリカ]
1960年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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阿呆った(旧・ことうら)

29
土居健郎氏が『甘えの構造』で日本人特有の精神的もたれ合いについて指摘していたが、昨今の日本人は『他罰的な傾向』が強い。(例モンスターペアレンツなど)◆他罰は自己責任論の裏返しだと著者は指摘する。成果主義と新自由主義的競争がその原因らしい。◆自己責任だと言われないようにするため、攻撃は最大の防御とばかりに、他を攻撃する(こうなったのは親のせい。鬱になったのは全て会社のせいなど)◆確かに、他を攻撃して被害者面をしている人には近づきたくないと思う。他罰的にも、自罰的にもならない、中庸の精神が大事だと思った。2016/09/13

CottonCandy

16
クレーマー、モンスター、ブログ炎上。先手で他人を責めるのは弱い自分を守るため。他人を強く責める人ほど、自分が責められることを恐れている。まさに「弱い犬ほどよく吠える」だ。あなたが悪い~わたしも悪い~いや、誰も悪くない~お互い大変でしたね・・・そういうプロセスを我慢できるコミュニケーションの能力や機会が、今の社会には本当に失われてしまったなと思う。他人を責めて責めて責め尽くした先に、一体何があるのだろうか?勝利?正義?正当化された自分?自分を守り通した末の安寧の正体は、信頼を失った嫌われ者の孤独なのだ。2010/04/18

やす

13
日本人は昔は自罰的であり、何かあれば自分が悪いんですという国民性であったものが、ここ最近、悪いのは○○ですと他罰的傾向にある人が増えてきた。市場原理主義や能力主義の影響で自罰的であることが不利に働くためではないかと著者は推量している。驚くのは、鬱病の症例に変化が見られ、私が鬱になったのは上司がわるいなどと社長に直訴メイルを書くような患者もいるとのこと。精神科医の著者としては患者が自分のせいだと少しは思ってくれないと治療がやりにくいとのことである。確かにそうだと思うところの多い本であった。2011/10/26

糜竺(びじく)

10
個人的には、こういう人達は勘弁してほしい。

トダ―・オートマタ

10
他罰的な人が増えたかどうかはわからないが 世の中の流れとして、本書はある程度正しいと思うが 科学的なものや歴史的なことまではあまり関係ないと思う。 今は自分に余裕がなくなっているので、 そのガス抜きとして他人に厳しくなるということは納得だし インターネットがそれを加速させるというツールに なっているというのも同意する。 2012/02/22

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