内容説明
ネトウヨ、弱者いじめ、シュガー社員、うつ病セレブ、誰でも殺人…自己責任か、社会の犠牲者か。
目次
第1章 経済格差が生んだ若者の弱さ
第2章 教育格差が生んだ若者の弱さ
第3章 弱い若者を襲う新型うつ病
第4章 「誰でもよかった」殺人と気遣い型の親殺し
第5章 ネット社会で増幅される若者の弱さと甘さ
第6章 若者はなぜ想像力を失ったのか
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治評論、サブカルチャー批判など幅広いジャンルで活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
178
タイトルはいささか煽情的だが(編集者が付けたのかもしれない)、「エピローグ」を除いて、むしろ著者の若者に対する慈しみや、共感、そして同時に心配や思いやりに満ちている。ただし、彼らに寄り添うのではなく、あくまでも客観的に突き放したところからだが。もっとも、それこそが大人のとるべき態度だと思う。今、新自由主義の政策の中で翻弄される彼らには著者も私も同情を禁じえない(余計なお世話か?)。そして、(私も全く同感だが)著者の最大の懸念は若者たちの想像力の欠如にある。読書がこれをもっとも涵養するので、皆様方は大丈夫。2014/07/20
それん君
13
読んでみて思ったのは、生死を中々実感できない日本特有の体質が筆者が指摘する若者を形成しているということ。結局金持ちも貧乏人も老若男女、栄枯盛衰であり最期は灰になる。そんな"人間には必ず訪れる絶対的な死"を意識することで今の自分が永続するわけではないことに気づかされる。そう考えてみると今の幸せな一時にも絶対的な価値はないはずだと気付く。だとすると周りや社会にも目が向くはずだと思う。2017/01/23
トダ―・オートマタ
12
個人的には本書の問題は若者だけではなく 最近の政治とかを見ても多くの日本人にあてはまると思う。 個人的に気になるのは、本書では 大半の若者は自己責任論者みたいなことを決めているが その理由がわからない。 おそらく、2chの書き込みを見てそうおもったのだろうが それで決め付けるのは良くないと思う。 あとがきを読んで、本人もそれがわかっていると思うのだが 正直根拠のない決め付けが多すぎるように思う。 本書では「若者は想像力がない」と書いているが 著者も若者批判によって世間に与える影響を想像して 批判すべき2011/11/06
ゆにす
6
駆け足で読んだのですが。若者だけの問題でなく、親世代の問題でもあると思いました。自分の子どもも新聞を読まなくて、当然知っていると思っていたことを知らくて唖然としたことがいくつかあります。「教養」を持ちなさいって言っても「教養」の価値わかんないんだろうな~。あとがきの「1例報告」という手法も許されるだなと興味深く思いました。内科や社会学と精神医学はまた手法が違うから、このような書き方ができるのだと納得しました。2013/04/04
xtc1961ymo
5
過去に読んでたの忘れて再読です、読書メーター役にたつなあ、って自分の惚けぶりに気付いてどうする。可もなく不可もない内容だから、初読時に感想も書かなかったのね!過去に何度も書かれこれからも書かれるであろう本の一つ。2014/12/04