内容説明
戊辰戦争での長州藩の仕打ちは、今も会津人に怨念を抱かせる。だが、“長州憎し”と声高に叫ぶ多くの人々も、会津藩に温情を施した薩摩藩に話が及ぶと、とたんに穏やかな顔になる。長きにわたる会津と長州の戦いに和解の道があるとすれば、薩摩を仲介役にし、三者膝詰めでの話し合いにあろう。本書は、会津と薩摩両藩の蜜月時代から戦争に至るまでの関係をひも解きながら、戊辰戦争の裏側を描いていく。ふたたび、会津を救うのは薩摩であるかもしれない―。
目次
第1章 会津落城―薩摩藩の温情
第2章 都の守り人―京都守護職就任
第3章 西国の雄―薩摩という国
第4章 京を死守すべし―会津・薩摩の蜜月
第5章 寝返った友藩―薩長同盟成立
第6章 非情なる運命―会津藩VS薩摩藩
著者等紹介
星亮一[ホシリョウイチ]
1935年、宮城県仙台市生まれ。東北大学文学部国史学科卒、福島民報記者、福島中央テレビ報道制作局長を経て作家。この間、日本大学大学院総合社会情報研究科修士課程修了。『奥羽越列藩同盟』で第19回福島民報出版文化賞を受賞、またNHK東北ふるさと賞を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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退院した雨巫女。
11
《私‐図書館》会津藩が何故、長州藩と薩摩藩に対するの違いを知りたくて読む。読んでみてわかる気もします。2011/08/24
しろろぞ
1
幕末の会津と薩摩の関係を記した本。VSとなっているが薩会同盟のこともあり、比較的有効な期間への言及が多い。あくまで両藩中心の歴史を追うといった雰囲気なので改めて発見したような事柄は殆どないが、薩摩藩というのは時勢を読むのが上手くてバランス感覚に優れていたのだと思った。攘夷や尊王を口にしても思想家ではなく政治家というか。そこが長州とは違うのかも。http://memoria1.blog.fc2.com/blog-entry-79.html2013/08/06
fujirin
1
軽い読み物として。/徳富蘇峰「土佐の勤皇志士は薩摩の芋畑、長州の蜜柑畑の肥やしになった」/竜馬は西郷の手先?という説が。/会津藩主松平容保、至誠の人、公用局の設置、病弱、慶喜・孝明天皇からの引留で板ばさみ。公武合体、一会桑政権を目指すが孝明天皇死後、幕府・朝廷から梯子を外され・・・/長州は四カ国連合艦隊の賠償金を幕府に肩代わりさせた/山県有朋VS河井継之助/鳥羽伏見後、勝は京都守護職会津のせいに。「大樹、連枝を絶つ・・」2009/07/19
マッピ丼
0
簡潔に各藩の歴史が説明されてありわかりやすかった。 山口県出身だが知らない事実も多数あり、参考になった。2016/05/04
kashimacchi
0
幕末ダイジェストといった感じ。それにしてもせつない・・・2011/09/19